研究課題/領域番号 |
21K09464
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
秋山 梓 筑波大学, 医学医療系, 講師 (80647272)
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研究分担者 |
水口 剛雄 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40372396)
佐藤 豊実 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80344886)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 子宮頸癌 / ヒトパピローマウイルス / E7蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
子宮頸癌は、全世界の女性における罹患率・死亡率ともに第4位である。ハイリスク・タイプのヒト・パピローマウイルス(HPV)による持続感染が子宮頸癌の主な原因であり、国外では広くHPVワクチンの開発・導入されているが、わが国ではHPVワクチンはいまだ普及していない。子宮頸部異形成、浸潤癌において、HPVウイルスゲノム癌遺伝子E6およびE7のmRNAにおいて、E7 mRNAの存在がより密接に浸潤癌への進展と関連していることを報告してきたが、E7 mRNAがより悪性度の高い病変形成に関与する分子機構はいまだ不明であり、その機序を解明できれば新規の子宮頸癌予防法および治療法の開発に繋がると期待できる。
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研究実績の概要 |
2022年度までに、HPV16陽性CaSki細胞およびHPV18陽性HeLa細胞においてsiRNAによりE6および/またはE7癌遺伝子をノックダウンし、ウェスタンブロット、Colony formation assay、フローサイトメトリー、TUNEL assay、Wound healing assay、Transformation assayによる解析の結果、E6およびE7遺伝子ノックダウンにより異なる細胞機能変化が観察された。更にsiRNAトランスフェクション細胞からRNAを抽出、Microarrayによる遺伝子発現解析結果の比較により、E6、E7、およびE6, E7関連発現変動遺伝子を同定した。FunRich softwareによりE7特異的な発現変動遺伝子を抽出し、Web tool によるFunctional annotation analysisから、上皮間葉転換、クロマチン・リモデリング、Focal adhesion経路などがE7特異的シグナル経路として同定された。更に蛋白相互作用ネットワーク解析から、G1細胞周期アレストが最も中心的なE7特異的経路であることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
E7特異的発現変動遺伝子に関して、Kaplan-Meier plotterにより子宮体癌の予後解析を行ったところ、予後に対して有意に相関する遺伝子を認め、Microarrayによる発現量変化と一致する結果を得た。またFunRich software によりE6特異的発現変動遺伝子を抽出したのち、MetascapeおよびDAVIDを用いたFunctional annotation analysisにより、p53シグナル伝達、アポトーシス、オートファジー、酸素濃度反応、細胞移動、細胞周期制御などが同定された。現在、STRINGおよびCytoscapeにより蛋白相互作用ネットワークの解析中である。今後E7に関する結果と比較することにより、より高悪性度の子宮頸癌発癌機序の解明に繋がると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後はE6とE7特異的発現遺伝子に関する研究結果を比較することにより、より高悪性度の子宮頸癌発癌機序の解明に繋がると考えている。
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