研究課題/領域番号 |
21K09488
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
川越 淳 山形大学, 医学部, 非常勤講師 (60375342)
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研究分担者 |
永瀬 智 山形大学, 医学部, 教授 (00292326)
太田 剛 山形大学, 医学部, 准教授 (50375341)
竹原 功 山形大学, 医学部, 助教 (80642496)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 生殖医療 / 不妊症 / 胚着床 / 制御性T細胞 / 短鎖脂肪酸 / 妊娠 / プロピオン酸 / 不妊 / 着床 / 子宮内膜 / 免疫寛容 / Treg細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠が成立し、その後適切に妊娠が維持されるためには、子宮内膜が適切に胚受容能を獲得し胚の発育と活動を支持する必要がある。この胚受容能獲得機序には、子宮内膜の胚に対する免疫寛容誘導が重要で、その異常が着床障害や習慣性流産などの発症に関与する可能性が徐々に明らかになってきている。免疫寛容の誘導のためには、制御性T細胞による免疫応答の抑制が重要な役割を果たしているが、どのような調節機序が影響するかは未だ不明である。本研究は、マウスモデルを用い、短鎖脂肪酸の経口投与により子宮内の免疫寛容誘導が可能か否かをその機序とともに明らかにし、原因不明不妊症の新たな治療開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
制御性T細胞(Treg細胞)による免疫応答の抑制は妊娠成立に重要な役割を果たす。本研究では、短鎖脂肪酸によるTreg細胞誘導効果が子宮内でも認められるか否かを確認し、妊娠成立に与える影響の解明を目的とした。短鎖脂肪酸を投与した雌マウスを背景の異なる雄マウスと交配させ、胚着床時期の子宮、傍大動脈リンパ節、血清をそれぞれ回収し、リンパ節および血液中のリンパ球の状態をflow cytometryにて比較検討した。プロピオン酸を単独で投与した群では、血清と傍大動脈リンパ節におけるTreg細胞の有意な増加を確認でき、他の投与方法では有意な変化は確認できなかった。妊娠成立への影響は認めなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不妊治療の社会的需要の高まりと共に、その治療成績改善も強く求められている。子宮内環境の異常、すなわち、炎症や免疫寛容の異常、微生物環境の異常などが胚着床不全の原因として報告され、その安全な治療法の開発が必要である。我々は、腸内での短鎖脂肪酸が全身の免疫調節に重要な働きをすることに注目し、それが子宮内でも炎症の改善や免疫寛容を誘導し妊孕性改善へ向けた効果を発揮できると考えた。実際、プロピオン酸投与が子宮内環境を反映する所属リンパ節内でTreg細胞の誘導に働くことを明らかにした。これは腸内環境の調節により子宮内環境を改善できる可能性を示し、今後の不妊治療への応用を進める基礎的結果として重要である。
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