研究課題/領域番号 |
21K09496
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
八木 裕史 九州大学, 医学研究院, 助教 (70623552)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 婦人科腫瘍 / GPCR / シグナル伝達 / 子宮体癌 / AP-1 / Rho / 低分子量Gタンパク / 三量体Gタンパク / 細胞増殖 / 卵巣癌 / 子宮頸癌 |
研究開始時の研究の概要 |
Gタンパク共役受容体(GPCR)を介したシグナル伝達経路は癌の進展に深く関与している。ヒト癌組織を用いた網羅的遺伝子解析の結果、GPCRやそのリガンドだけでなく、細胞内でcouplingする三量体Gタンパク、エフェクター分子、低分子量Gタンパクなど、そのシグナル伝達を制御する様々な分子の異常が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。 三量体Gタンパクの一つであるGα13は様々な癌の進展に関与していることが報告されているが、その詳細なメカニズムについては明らかになっていない。本研究では、Gα13が制御するシグナル伝達経路、癌の発生および悪性形質の獲得における役割を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
三量体GタンパクのひとつであるGa13は、様々な癌種において高発現していることが報告されているが、癌の進展における役割については十分明らかになっていない。本研究においては子宮体癌の進展におけるGa13の役割について解析を行った。その結果、子宮体癌細胞においてはGa13の高発現に伴いGa13-Rho細胞内シグナルが活性化し、それに伴い細胞増殖能が亢進することが示された。また、Ga13-Rhoシグナルを負に制御する因子の一つであるARHGAP35の遺伝子変異がこのシグナル経路の増強に関与していることが示唆された。今後はこのシグナル経路を標的とした治療法の開発に取り組む予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞膜表面の分子として最大のファミリーを形成しているGPCRは、治療標的分子として代表的なものである。現在の治療薬の約35%がGPCRを標的としているが、標的となっているGPCRは、ヒトのGPCR(800種類以上)のうちの15%に過ぎない。このような現状から、これまで詳細な解析が困難であったGα13シグナル伝達経路を解析し、癌の発生および悪性形質の獲得における役割を明らかにすることが、新たな治療標的の同定、治療法の開発につながると期待される。
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