研究課題/領域番号 |
21K09499
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
鈴森 伸宏 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (70326148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 流産 / 胎生期形態異常 / エクソーム解析 / 胎児染色体 / 胎盤 / トリオ分析 / 不育症 / 絨毛染色体 / シーケンス / NIPT / 遺伝子解析 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢とともに流産率や胎生期形態異常の発生率は上昇し、自然流産のうち80%以上の胎児に染色体・形態異常がみられる。妊娠初期から胎児成分は母体免疫系に認識され母体血中に混入しているが、胎生期形態異常があると脱落膜付近でバリアが形成される。これは母体側の脱落膜において、胎児成分を認識して、免疫・血管新生、妊娠維持機構の破綻を招くと考えられる。しかし、どのようなプロセスをへて、流産の転帰となるのか分かっていない。本研究の目的は、胎生期形態異常の有無を分別し、流産の原因・機序を解明し、トリオ分析で着床前診断へつなげることである。本研究の発展により、流産の予防・予知の解明に広がっていくことが期待できる。
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研究成果の概要 |
流産・死産児の原因解明のため、胎児の形態や染色体を分析し、2回以上流産・死産を繰り返す不育症症例で、流産時に夫婦と胎児のトリオ分析を行った。原因不明の不育症21家系のうち、16家系の正常核型を対象に、末梢血や唾液からゲノムDNAを抽出し、全エクソーム解析を実施、DNA定量の確認、ライブラリ調製、エクソン領域キャプチャーを行い、NovaSeq6000でシーケンスを行った。 データは全エクソーム解析プログラムでマッピングし、ホモ接合体変異や病的バリアントの有無を解析、データベースやPubMedで検索した。流産・死産に関わる病的バリアントの抽出は現時点で困難であるが、本研究の遂行を継続している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
流産・死産の原因検索のため、不育症の16家系、48検体全てを用いて全エクソーム解析によるトリオ分析を行い、ホモ接合体変異や複合ヘテロ接合体変異、病的バリアントの有無を解析したところ、明らかな病的バリアントを絞り込むことができなかったことから、不育症の遺伝学的解析により流産・死産の原因を単一の遺伝子多型の分析により解明することは困難であると思われる。一方、不育症に悩むカップルが多いなかで、その原因は胎児染色体異常、子宮形態異常、抗リン脂質抗体症候群以外にも多岐にわたり、胚・子宮内膜の局所での病理病態について未知の領域が多いと考えられる。
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