研究課題/領域番号 |
21K09503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
吉武 洋 順天堂大学, 大学院医学研究科, 非常勤講師 (00396574)
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研究分担者 |
荒木 慶彦 日本大学, 医学部, 客員教授 (70250933)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バイセクト型糖鎖 / 抗精子抗体 / NUP62 / 雄性生殖細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
糖鎖はタンパク質・核酸に続く第3の生命鎖として注目されているが、その分子構造は極めて多様性に富んでいるため機能解析は進んでいない。我々が樹立した抗マウス精子単クローン抗体Ts4は、バイセクト型N-アセチルグルコサミン構造を有する糖鎖を介して雄性生殖細胞に発現する複数の糖タンパク質を認識している。本研究ではこの糖鎖が修飾される糖タンパク質の同定と、生殖過程における本糖鎖構造の機能解明を目指す。
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研究実績の概要 |
原因不明の不妊症患者血清中では抗精子抗体が検出されることがある。我々は新規抗精子抗体標的抗原の探索を目的に、特に人為的操作を加えずに2年以上飼育 した老齢雄マウスの脾細胞を用いて、マウス成熟精子頭部に反応する自己抗体由来の単クローン抗体Ts4を樹立し、さらに本抗体がバイセクト型N-アセチルグル コサミン(bisecting GlcNAc)構造を有するフコシル化2本鎖複合型糖鎖への結合を介して複数の糖タンパク質を認識することを明らかにした。Bisecting GlcNAc はGlcNAc転移酵素III (GnT-III)によって付加される。GnT-IIIは悪性腫瘍や神経変性疾患患者の脳において発現量が増加していることが報告されており、GnT-III/バイセクト型糖鎖と疾患との関係が注目されている。その一方、正常組織での本糖鎖の生物学的機能については未だ不明である。これまで我々は、Ts4は精巣内ではTEX101をはじめとする複数の糖タンパク質を認識することを報告してきたが、さらに我々は核膜孔複合体を構成するタンパク質であるnuclear pore glycoprotein p62 (NUP62)を、精巣における Ts4認識分子の一つとして新たに同定した。そこで本研究は、NUP62を介した雄性生殖細胞形成過程におけるバイセクト型糖鎖の分子生物学的機能を明らかにすることを目的とした。その解析ツールとして、我々はマウス及びヒトに共通する抗原ペプチドを作製し、これをウサギに免役することにより複数の多クローン抗体を樹立した。まず本抗体の反応性をウェスタンブロット解析で確認したが、想定される位置にバンドが検出されなかった。NUP62はバイセクト型糖鎖だけでなく、その他の糖鎖修飾を受けている可能性があり、今後糖切断酵素等を用いて、本抗体の反応性の変化を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究が目指す最終目的は「生殖過程で発現するbisecting GlcNAc分枝型糖鎖の生理活性」を明らかにすることである。そのために本申請研究ではこれまでの先行研究成果を基盤として「Ts4反応性バイセクト型糖鎖が多様な分子の機能調節を介し受精成立に寄与する」という作業仮説を検証する。そのためにTs4反応性バ イセクト型糖鎖が付加された糖タンパク質の一つであるNUP62を介した本糖鎖構造の生物学的機能を解析中である。昨年度その解析ツールの一つとして抗NUP62 抗体を樹立したが、現在その反応性に疑義が生じており、さらなる本抗体の性能確認を進めている。従って本研究はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度樹立した抗NUP62抗体の反応性をウェスタンブロット及び免疫組織化学的解析により明らかにする。本抗体が有用でない場合には、さらに異なる抗体の作製を検討する。有用な抗体が得られた後に、それを用いて本分子を介したTs4反応性バイセクト型糖鎖の生物学的機能を解析する予定である。さらに免疫沈降法及び高速液体クロマトグラフィー/質量分析法を用いて、TEX101やNUP62以外のTs4反応性バイセクト型糖鎖が付加された糖タンパク質の同定をさらに進める予定である。また他の実験動物種(ラット・ハムスター等)においても交差反応がないかどうかについても検討する予定である。
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