研究課題/領域番号 |
21K09512
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
寺川 純平 麻布大学, 獣医学部, 講師 (90777731)
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研究分担者 |
大黒 多希子 金沢大学, 疾患モデル総合研究センター, 教授 (30767249)
藤原 浩 金沢大学, 医学系, 教授 (30252456)
小野 政徳 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70348712)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 子宮内膜 / タモキシフェン / 妊娠 / 子宮体癌 |
研究開始時の研究の概要 |
選択的エストロゲン受容体調節薬であるタモキシフェンは、閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法薬として使用される一方で、妊孕性の低下や子宮体癌発症リスクの増加といった薬物有害反応を引き起こす。本研究は、マウスモデルを用いた解析により、短ー中・長期間のタモキシフェン暴露が子宮内膜にもたらす細胞変化の分子機構を調べ、妊娠や生殖サイクル、子宮環境への影響を検証する。
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研究実績の概要 |
タモキシフェンは、エストロゲン受容体を介した遺伝子発現を調節する選択的エストロゲン受容体調節薬で、組織によって異なった作用を示す。乳腺では抗エストロゲン作用を示すことから、閉経前ホルモン受容体陽性乳癌に対する術後内分泌療法薬として使用されている一方で、子宮においてはエストロゲン作用を示し、副作用として妊孕性を低下させることや子宮体癌の発症リスクを増加させることが報告されている。しかしながら、なぜタモキシフェンが子宮でそのような薬物有害反応を引き起こすのか、その根本的な原因は明らかでない。タモキシフェンの長期投与が乳癌の再発を有意に抑制することが報告されており、今後長期間使用される頻度が増えるに従い、タモキシフェン投与による妊孕性低下や発癌リスク増加の機序解明は重要になっている。このことから、本研究では、薬物有害反応の原因究明を目的とし、タモキシフェンが子宮機能に与える影響について、その分子基盤の解明を目指す。 マウスモデルを用いた研究から、タモキシフェンは単回投与では従来知られている子宮へのエストロゲン作用を示した一方で、ヒトでの投薬を模した一定期間の暴露により、子宮内膜で組織学的変化を引き起こし、その後の妊孕性を低下させることを見出した。妊孕性の低下は投薬終了後の初回妊娠で影響が大きく、2回目以降で回復傾向にあった。子宮内膜の組織学的変化の分子機構を明らかにするための解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
タモキシフェン長期投与マウスモデルでは、初回妊娠率がおよそ40%低下したが、その後の妊娠では回復傾向が認められた。妊娠率低下の原因は、排卵数の低下に伴う着床数の低下として認められたが、妊娠中期での異常な着床部位の増加のほうがより顕著であった。妊娠維持にともなう血中プロゲステロン濃度には、実験区と対照区で有意な差が認められたなかったことから、子宮内膜での組織学的変化が妊娠の維持を困難にしていると考えられた。また、妊娠が進行した個体においても分娩時期の遅延が認められた。分娩に至るシグナル伝達では子宮内膜上皮が重要な役割を担っているため、上皮の機能的変化について解析を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
タモキシフェン長期投与マウスモデルでは、投与終了後においても持続する、間質と上皮の双方の変化が認められており、その変化を引き起こす分子機構について解析を進めていく。組織学的な解析に加え、間質および上皮でのin vitro培養実験系の立ち上げが必要である。単離した間質および上皮を使ったin vitro培養実験系により、組織で認められる変化を再現することができれば、網羅的遺伝子発現解析を行う予定である。上皮と間質の相互作用については、遺伝子改変マウス個体を用いた解析を進める。 タモキシフェン以外のエストロゲン受容体調節薬を用いた比較解析を進め、タモキシフェンによって引き起こされる細胞変化がタモキシフェンに特有なものかどうかを明らかにする。
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