研究課題/領域番号 |
21K09513
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
天野 創 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (20613467)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / 酸化ストレス / 新規治療 / 子宮内膜症関連癌 / 機能性ナノ粒子 / 糖代謝 / ナノ粒子 / 糖代謝阻害 / 光線力学療法 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣明細胞癌は化学療法に抵抗性であり特に進行、再発例に対しては有効な治療法が無く予後不良である。本申請では、機能性ナノ粒子を糖代謝阻害剤や光感受性物質(PS)の送達に応用した卵巣明細胞癌に対する新規治療法確立を目指す。具体的には多孔性シリカであるメソポーラスシリカナノ粒子に、糖代謝阻害剤としてmannose及びmetforminを、PSとしてベルテポルフィンを担持させ、薬剤を癌細胞へ送達し糖代謝阻害や光線力学療法による癌治療を行おうとするものでこれまでに例のない試みである。このナノ粒子は、担持させる薬剤の変更、表面への標的指向性ペプチド結合など自由な設計が可能であることも大きな特色である。
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研究成果の概要 |
メソポーラスシリカナノ粒子のサイズコントロール手法を確立し径50nm程度のコア粒子にポリグリセロール修飾を行うことで優れた可溶性を持たせることに成功した。一方で、卵巣明細胞癌においてビタミンAの代謝酵素であるレチノールデヒドロゲナーゼ10(RDH10)が特異的に発現することを多数の臨床検体を用いた免疫染色とウエスタンブロッティングにて明らかとした。さらにRDH10が、糖新生代謝酵素であるホスホエノールピルビン酸カルボキシキナーゼPEPCK)を介して卵巣明細胞癌の細胞質内グリコーゲン貯留に大きく寄与し、癌細胞の幹細胞能獲得や治療抵抗性に関与していることを同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
化学療法抵抗性である卵巣明細胞癌に高発現し治療抵抗性に関与する新規分子(RDH10)を同定したことは今後の新規治療確立の土台となる成果であると考えられる。まさメソポーラスシリカナノ粒子のサイズをコントロールし可溶性を持たせる技術についても今後ドラッグデリバリーの分野で応用が期待できる。
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