研究課題/領域番号 |
21K09514
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山口 建 京都大学, 医学研究科, 講師 (20378772)
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研究分担者 |
馬場 長 岩手医科大学, 医学部, 教授 (60508240)
山ノ井 康二 京都大学, 医学研究科, 助教 (70868075)
万代 昌紀 京都大学, 医学研究科, 教授 (80283597)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 卵巣明細胞癌 / フェロトーシス / YAP / 卵巣癌 / 明細胞癌 / Hippoシグナル / 子宮内膜症 / 脂質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
1.フェロトーシス誘導剤感受性試験によるフェロトーシス抵抗性を示す細胞株の探索を行う 2.フェロトーシス依存性スコアの算出と脂質代謝異常の同定、候補化合物の予測をする 3.臨床組織におけるフェロトーシスと脂質代謝の検討を行う 4.子宮内膜症や明細胞癌におけるHippoシグナルによるフェロトーシスを検討する 5.子宮内膜症や明細胞癌におけるパルミトイル化(脂肪酸修飾)とフェロトーシスの検討を行う 6.マウス子宮内膜症モデルや卵巣癌モデルによる治療実験を行う
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研究実績の概要 |
卵巣明細胞癌においてフェロトーシス抵抗性であることを示してきた。また、フェロトーシスにはHippoシグナルの最終的な調整因子である転写因子YAPの活性が関わることを示した。さらに、YAPの制御はLATS1/2が重要な因子であるとされているが、LATS1/2以外にも存在する可能性があることを示してきた。 LATS1/2以外にYAP活性を示す因子があるか探索したところ、卵巣明細胞癌のマーカーであるHNF1Bの下流遺伝子であるZDHHC7に着目した。ZDHHC7は卵巣明細胞癌において高異型度漿液性癌よりも有意に高発現であった。ZDHHC7の発現を抑制したsh細胞株を作成したところ、YAP1は核内移行を示し、活性化していた。また、細胞死が増えること、フェロトーシスマーカーが上昇することを卵巣明細胞癌細胞株2株で確認した。ヒト卵巣明細胞癌細胞株を用いたマウス卵巣明細胞癌モデルで検討したところ、ZDHHC7のsh株ではコントロール株と比較してフェロトーシス誘導剤によってフェロトーシスマーカが上昇し、腫瘍抑制効果を強く認めた。ZDHHC7のsh株の腫瘍ではYAPの核染色が増え、フェロトーシスに関わる脂質ROSのマーカーであるMDAも強く発現していた。また、既報のデータセットを入手し、卵巣明細胞癌においてYAP活性が予後に関わることを京都大学の症例を用いた結果と同様であることを確認した。以上のことから、卵巣明細胞癌はフェロトーシス抵抗性を示し、その機序としてYAP活性によるフェロトーシスが抑えられていること、YAP活性はLATS1/2だけではなくZDHHC7により制御されていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文発表がまだ
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今後の研究の推進方策 |
論文作成し投稿、発表予定
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