研究課題/領域番号 |
21K09533
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
齊尾 征直 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40242721)
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研究分担者 |
西島 良美 群馬大学, 大学院保健学研究科, 講師 (10710733)
小林 さやか 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (80765694)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | Lamin / コンピュータ支援画像解析 / 卵巣癌 / 核の剛性 / 核ラミナ / ラミン / エメリン |
研究開始時の研究の概要 |
5年生存率が極めて悪い腫瘍の一つである卵巣癌について、癌がどのように播種、リンパ節転移や遠隔転移に至るか、その詳細な機序の解明は未だ不完全なままである。本研究では今まであまり着目されないなかった核の剛性に着目する。なぜなら、細胞内では核が最も剛性が高い構造物で、その剛性が低下が浸潤能に影響する可能性があるからである。核の形状維持には、主に核の裏打ち蛋白であるラミンA、B、Cやその関連蛋白の発現が必要なため、本研究ではラミンを主体に発現解析することで、核の剛性がどの程度卵巣腫瘍のリンパ節転移や遠隔転移、腹膜播種などに寄与するのかを病理組織学的にコンピュータ画像解析も応用して明らかにする。
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研究実績の概要 |
悪性腫瘍において核膜蛋白Laminの発現量の変化について複数の研究が行われているが、対象の臓器毎にその結果は異なっている。前年度には卵巣の4大上皮性腫瘍の検討を原発巣について行ったが,本年度は卵巣漿液性腺癌において3種類のLaminの発現量の評価を原発巣と転移巣について比較検討した。方法としては,漿液性腺癌と診断された卵巣の手術検体を用いてLamin A、Lamin B1、Lamin B2の免疫組織化学染色を行った。その標本を顕微鏡下で観察し、腫瘍部の染色強度を同一症例の正常卵管と比較して低下、増加、不変の3つに分類した。その結果,Lamin Aでは腫瘍部で発現が低下しているものが最も多く、不変が次となり,増加している症例はなかった。Lamin B1は不変が最多で,低下,増加の順であった。LaminB2は低下,不変,増加3の順であった。 その後も解析を継続し,症例数を増やしてゆき,標本データをバーチャルスライドスキャナで画像データ化した後に,コンピュータ支援画像解析を行うことで,最終的にリンパ節転移部と原発部の比較検討をするに至り,人的な観察による評価と類似したデータを得るとともに,新規のデータも得られたため,論文投稿できると判断し,現在,本研究としては2本目の英文の論文を執筆し,投稿中となっている。 なお,核の剛性とLamin発現との関係性を検討するために,細胞株を用いたTrass well assayも開始しており,卵巣の明細胞癌株,漿液性癌株,大腸がん株でのアッセイを順次遂行中であり,次年度にその成果をまとめ上げて行ける予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までに英語論文1報の発刊となっているとともに,現在投稿中のデータもあり,おおむね順調に進展していると思われます。
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今後の研究の推進方策 |
今年は主に細胞株を用いたTras well assayを行い,Laminの発現と核の剛性の変化によるTras wellの穴を通り抜けることのできる細胞の多さや,細胞死の多さの有無などを検討する。また,一部明細部癌株でのTrans wellの通りに安さに差があるため,卵巣名細胞癌における原発巣と転移巣でのLaminの発現の比較検討なども行う予定にしている。
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