研究課題
基盤研究(C)
確実な早産予防法がない中でも、特に1,000g未満の超低出生体重児の出生を防ぐことは重要である。超低出生体重児が出生する主な理由は、羊水中の細菌とUreaplasma/Mycoplasma (Urea/Myco)の重複感染による子宮内環境の破綻である。このような破綻前には、子宮頸管長が短縮することが多いが、短縮するメカニズムに関して明確にはわかっていない。腟炎、頸管炎、子宮内感染という上行性感染が主な自然早産の原因である故、Urea/Myco感染が深く関わっていることが推測される。よって、子宮頸管長短縮との関連を解明することにより、超低出生体重児を減らす医学的戦略が見えてくる可能性がある。
無症状妊婦の子宮頚管長短縮例における高度子宮頚管炎(子宮頚管粘液中IL-8値>803.5 ng/mL)は、自然早産を引き起こす独立した有意なリスク因子であること、ウレアプラズマ/マイコプラズマと細菌の重複感染は、切迫早産のみならず子宮頚管無力症の症例においても、病態に寄与していることが判明した。正常妊婦の頸管粘液中ウレアプラズマ/マイコプラズマ陽性率は約19%であった。Covid-19の影響で頸管粘液採取を中止していた時期があり、腟内の乳酸菌の存在および子宮頚管粘液中IL-8値との相関については検討できていないが、今後、検討予定である。
高度の炎症を惹起するウレアプラズマ/マイコプラズマと細菌の重複感染は、超早産に強く関連している可能性がある。こららの菌は、腟内細菌が主体であると考えられるため、どの時期に、どのような方法で、高度炎症を抑制できるのか明らかにされれば、超早産を予防できる戦略が考案できる。実際に超早産予防策が確立した場合、その社会的意義は極めて大きいものと思われる。
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