研究課題/領域番号 |
21K09537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
布施谷 千穂 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (50447736)
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研究分担者 |
浅香 亮一 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (00623688)
小野 元紀 信州大学, 医学部附属病院, 助教(診療) (10816432)
塩沢 丹里 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (20235493)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子宮体がん / 6-MITC / イソチオシアネート / ワサビ / 天然化合物 / アポトーシス / ナチュラルキラー細胞 / 子宮体癌 / Wasabi / NK細胞活性 / endometrial carcinoma / NK cell activity / apoptosis / AITC / cisplatin |
研究開始時の研究の概要 |
我が国の子宮体癌患者数は急増しているが子宮体癌治療に使用できる薬剤は限られており、新規薬物療法の開発が急務である。抗癌剤や分子標的薬は時に強い副作用がみられるため、近年、古来より摂取し安全性が高いと予想される天然化合物の抗腫瘍効果が注目されている。6-(methylsulfinyl) hexyl isothiocyanate(6-MITC)は、日本原産の本ワサビから抽出される天然化合物であり、抗炎症作用や抗酸化作用などが報告されているが、子宮体癌に対する抗腫瘍効果は報告されていない。本研究では6-MITCの抗腫瘍作用と腫瘍免疫に対する作用を明らかにし、新規治療薬候補となるか検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では本わさび由来の天然化合物6-(methylsulfinyl) hexyl isothiocyanate(6-MITC)の子宮体がんに対する抗腫瘍効果を検討した。6-MITCは濃度依存的に子宮体がん細胞株の増殖能・細胞生存能を低下させ、アポトーシスを誘導した。一方、HUVECなどの正常細胞に対する増殖抑制効果は乏しかった。6-MITCは抗癌剤シスプラチンの効果を相乗的に増強した。子宮体がん細胞を移植したヌードマウス異種移植腫瘍での検討では、6-MITC経口投与は腫瘍の増大を有意に抑制し、アポトーシス誘導作用を示した。さらに6-MITC経口投与によりNK細胞活性の増強が観察された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
子宮体がん患者は急速に増加しているが、現在、薬物療法の中心である細胞障害性抗がん剤や免疫チェックポイント阻害剤などの分子標的薬は、特有で重篤な有害事象を引き起こす可能性がある。このため、副作用の少ない治療薬の開発が望まれる。今回検討している長野県の特産品であるわさび由来の6-MITCは、子宮体がんに対する副作用の少ない治療薬の候補に成り得ると考えられる。6-MITCは、これまで他癌種での抗腫瘍作用が報告されているが、NK細胞活性の増強作用は報告されておらず、本研究が初めての報告である。がん細胞への直接作用だけでなく、免疫系を介した作用も有している可能性があり、有望な新規薬剤候補になり得る。
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