研究課題/領域番号 |
21K09543
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
三浦 生子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (00404301)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 産科疾患 / 妊娠産物 / 間葉系幹細胞 / エクソソーム / 妊娠高血圧症候群 / 母体 / RNA / circRNA / 産婦人科 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、私どもは母体血中の胎児・胎盤由来RNA を同定し、それらは母体血を通じて非侵襲的に得られる胎児・胎盤の分子情報であり周産期の病態との関連が示唆されている。本研究では、胎児・胎盤由来RNA を内包して母体血中を循環するエクソソームおよび妊娠産物由来間葉系幹細胞(MSC)に着目し、産科疾患(preeclampsia、FGR)と関連するバイオマーカーを同定し、母体の血液検査による産科疾患の病態評価と妊娠産物由来MSC を用いた再生医療による胎内治療に向けた新知見の獲得を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究課題では、産科疾患における妊娠産物由来間葉系幹細胞ならびにエクソソームの臨床的意義を明らかにすることを目的としている。これまでの研究で、胎盤特異的microRNAとしてchromosome 19 microRNA cluster (C19MC)を同定している。今年度は、正常妊娠と妊娠高血圧症候群とを鑑別可能な妊娠関連cell-free microRNAを同定することを目的とした。まず、正常妊娠ならびに妊娠高血圧症候群の妊婦より母体血を採取し、妊娠高血圧症候群は遅発型と早発型に分類し、それぞれの母体血漿中におけるC19MC領域のcell-free microRNA(miR-517a, miR-518bなど)流入量をRT-PCRで定量した。 8種類のC19MC領域のmicroRNAでは遅発型に比べ早発型で流入量が有意に増加していた。ついで、妊娠週数ごとの母体血漿中のC19MC microRNA流入量の基準値を決定し、正常妊婦44例、妊娠高血圧症候群33例の母体血漿中のmicroRNA流入量を定量した。正常妊婦例の多くは基準値範囲内にあり、妊娠高血圧症候群の多くは基準値より高値であった。母体血漿中の妊娠関連cell-free microRNAであるC19MC領域のmicroRNAは、妊娠高血圧症候群の分子マーカーとなり得ると示唆された。 また、妊娠由来間葉系幹細胞として、胎盤由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞ならびに脱落膜由来間葉系幹細胞を培養し、それらにおけるC19MC microRNAの発現量を解析したところ、胎盤由来間葉系幹細胞において特異的に発現していた。RNAシークエンス解析を用いて、遅発型と早発型それぞれの胎盤由来間葉系幹細胞におけるmRNA発現解析を行ったところ、早発型と遅発型とで異なる遺伝子発現パターンを認める遺伝子の組み合わせを同定した。これらは妊娠高血圧症候群のうち、早発型と遅発型との病態を鑑別する分子マーカーになりうると期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの研究で、胎盤特異的microRNAとしてchromosome 19 microRNA cluster (C19MC)を同定した。そして、今年度は産科疾患として妊娠高血圧症候群に着目し、母体血漿中のC19MC microRNAが本疾患の分子マーカーになり得ることを明らかにした。また、C19MC microRNAは胎盤由来間葉系幹細胞で特異的に発現していることを明らかにし、早発型と遅発型とを鑑別しうるmRNA発現パターンを同定した。したがって、研究計画は概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で、胎盤特異的microRNAとしてchromosome 19 microRNA cluster (C19MC)を同定した。そして、今年度は産科疾患として妊娠高血圧症候群に着目し、C19MC microRNAが本疾患の分子マーカーになり得ることを明らかにした。今後は、母体血漿からエクソソームを抽出して、母体血漿中のエクソソームにおけるC19MC microRNAの発現パターンを明らかにして、妊娠高血圧症候群の病態をモニターしうる分子マーカーとしての臨床的意義を検討する予定である。また、胎盤由来間葉系幹細胞おいて、妊娠高血圧症候群のうち早発型と遅発型とを鑑別しうるmRNA発現パターンを同定したので、胎盤由来間葉系幹細胞におけるmRNA発現パターンの妊娠高血圧症候群における臨床的意義について検討を進める予定である。
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