研究課題/領域番号 |
21K09555
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
小泉 優 山形大学, 医学部, 医員 (80723585)
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研究分担者 |
水足 邦雄 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 病院 耳鼻咽喉科, 講師 (40338140)
天野 彰子 山形大学, 医学部, 医員 (50787249)
欠畑 誠治 山形大学, 医学部, 名誉教授 (90261619)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 内耳 / 聴神経 / 有毛細胞 / シナプス / cochlear synaptopaty / ROCK阻害薬 / 爆傷 / 衝撃波 / hidden hearing loss / LISW / cochlear synaptopathy / 感音難聴 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、cochlear synaptopathyという病態が報告され、有毛細胞の障害に先行して生じる聴神経・シナプスの障害が、感音難聴の成因として重要であること明らかとなった。本研究ではcochlear synaptopathyに対するROCK阻害薬の効果を検討する。ROCK阻害薬は、緑内障や脳血管攣縮の保険適応薬剤としてすでに臨床応用されているが、基礎研究レベルでは中枢神経、末梢神経での神経保護および神経・シナプス再生作用が示されている。本研究により聴神経障害に対しても有効性が確認できた場合、臨床応用へのハードルが低く、画期的な治療薬として内耳再生研究のブレイクスルーとなることが期待される。
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研究実績の概要 |
近年になり、有毛細胞の障害に先行した聴神経・シナプスの変性が音響外傷や加齢の初期病変として確認され、cochlear synaptopathyと命名された。cochlear synaptopathyは聴覚閾値の上昇を伴わない騒音下での語音明瞭度の低下や無難聴性耳鳴など、いわゆるhidden hearing lossの原因病理の一つであると考えられており、感音難聴の成因として重要であるとともに、聴覚予後にも影響を及ぼす可能性が示唆されている。これらの現象はcochlear synaptopathyが治療ターゲットとして重要な病態であることを示唆しており、本研究ではcochlear synaptopathyの病態に基づいた、聴神経・シナプスをターゲットとした感音難聴への新たな治療法の開発を試みる。 初年度は、共同研究者である防衛医科大学校の水足らとの共同研究を行い、laser-induced shock wave(LISW)により作製したCochlear synaptopathyモデルに対するROCK阻害薬の効果について検討を行い、結果をまとめて国際論文発表をおこなった。 2022年3月よりHarvard Medical School, Eaton-Peabody研究所のAaron Remenschneider氏と共同研究を開始した。より臨床像に近い、爆傷障害Cochlear synaptopathyモデルを作製し評価を行った。この爆傷傷害システムは様々な程度の感音難聴モデルを効率よく作製可能であることが示されたため、2023年2月の国際学会(ARO)で発表を行った。 本年度はこの障害モデルに対するROCK阻害薬の効果について検討を行い、聴力機能の改善を認めたため、結果をまとめて2024年2月の国際学会(ARO)で発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度は防衛医科大学校の水足らとの共同研究により、LISWにより作製したCochlear synaptopathyモデルに対するROCK阻害薬の効果を検討し、予想以上の成果を挙げることができた。前年度より本研究をさらに発展させるために海外共同研究を開始し、共同研究の成果の一部を国際学会で報告した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はcochlear synaptopathyの病態に基づいた、感音難聴の新たな治療法の開発が目的である。初年度はLISWにより作製したCochlear synaptopathyモデルに対するROCK阻害薬の効果を確認することができた。前年度はさらに研究を進めるため、より臨床像に近い障害モデルであると考えられる、爆傷によるCochlear synaptopathyモデルの作製を試みた。本年度はCochlear synaptopathyモデルへのROCK阻害薬による治療評価を行い、機能的な改善の可能性が示唆された。本年度は引き続き形態学的評価を行うとともに、論文投稿の準備を進めていく。
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