研究課題/領域番号 |
21K09562
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
中山 明仁 横浜市立大学, 医学研究科, 客員教授 (20207955)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 喉頭癌 / 機能温存 / 低侵襲 / 弯曲回転鉗子 |
研究開始時の研究の概要 |
下記3つの項目に分けて研究を進める。 1)SCPL-CHEPの低侵襲化に関する前臨床的研究では、では、頸部外切開を介さずに、SCPL-CHEPを完全経口内視鏡下に施行可能か、最新手術支援ロボットを用いた前臨床予備研究を用いて検証する。 2)Hybrid SCPL-CHEPによる低侵襲化の研究では、代替手法として、頸部小切開と経口咽喉頭手術を併用するハイブリッドアプローチの実施可能性・安全性について検証する。 3)高自在性の経口咽喉頭手術機器に関する研究では、医療経済の負担が少ない、再生利用可能な高自在性の経口咽喉頭手術機器の開発と実用化を目指す。
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研究実績の概要 |
頭頸部外科学への鏡視下手術の導入による、「低侵襲化」促進の一端として本研究に取り組んできた。われわれの研究チームは過去12年間の基盤C研究において、喉頭癌の機能温存手術である喉頭亜全摘出術Supracricoid Laryngectomy with Cricohyoidoepiglottopexy (SCPL-CHEP)を研究し、その根治性、機能温存の高い成果を報告してきた。 近年外科学は低侵襲化による患者ニーズへの応答が問われている。高侵襲な外切開手術であるSCPL-CHEPは、その侵襲性と術後経過の遷延化の問題が指摘されてきた。本研究では、欧米と共同で行ってきた手術支援機器等を用いた予備研究を基に、SCPL-CHEPの低侵襲化の新たな方向性について、前臨床・臨床試験を通して検証している。 低侵襲手術に用いる自在性の高い先端弯曲回転鉗子も上市が予定されている。上市のための、薬事認定、特許取得、特許実施契約はすでに完了している、現在、鉗子先端部の最終調整のプロセスにある。調整内容は:①先端把持形状の調整: 把持力不足の強度を高める目的で、「先端の支点間距離」を延長した先端把持部を作製し、強度の強化が可能かを検証する。②先端咬合形状の調整: 先端で針を把持して運針時に、ぶれが1/2になるよう咬合部の形状モデルを複数作製し、ぶれの軽減が可能かを検証する。③先端咬合コーテイングの調整:咬合表面のコーテイング素材・粒子の調整にてコーテイングモデルを複数作製し、ぶれ軽減の効果について検証する。 鉗子の最終形を確定した後に、VER-II鉗子の開発も予定したい。VER-II鉗子では、彎曲部の自在性を手元で操作できる機構を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
喉頭亜全摘出術の低侵襲化の一環として提唱しているハイブリッド手術について検証を続けている。頸部切開を6cmで行う小切開喉頭亜全摘手術の症例も10症例を超え、その臨床経過、予後について追跡をしている。現時点で、獲得喉頭機能のレベルは高く、腫瘍の制御も安定している。その意味で、小切開亜全摘による低侵襲化の検証はおおむね順調に推移していると考えている。 ハイブリッド手術のもう一つの取り組みである、咽頭瘻孔の縫縮に使用する彎曲回転鉗子の開発も最終段階にある。こちらもおおむね順調に推移していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
YCU-N3鉗子(特許番号7365655)の先端部の形状、デザイン、素材コーテイング材について下記3件の調整を行い、先端部の強度が現行2倍レベルまで、向上・維持される最終形の開発の制作を委託する。 YCU-N3鉗子は、30cmに及ぶ先端部が彎曲して回転する鉗子であり、その2.8mm径の細径の先端部で、針を把持し、運針する持針器の機能を果たす。持針した時に針がぶれない強度が重要であるが、現時点では先端部の強度が不十分であるため、下記条件により本作製を委託する。 下記3件の調整により、鉗子先端部の強度が現行の2倍レベルまで向上し、運針時のぶれが1/2になるよう確認する。 ①先端把持形状の調整: 把持力不足の強度を高める目的で、「先端の支点間距離」を延長した先端把持部を作製し、強度の強化が可能かを検証する。 ②先端咬合形状の調整: 先端で針を把持して運針時に、ぶれが1/2になるよう咬合部の形状モデルを複数作製し、ぶれの軽減が可能かを検証する。 ③先端咬合コーテイングの調整:咬合表面のコーテイング素材・粒子の調整にてコーテイングモデルを複数作製し、ぶれ軽減の効果について検証する。
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