研究課題/領域番号 |
21K09563
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 東北医科薬科大学 |
研究代表者 |
太田 伸男 東北医科薬科大学, 医学部, 教授 (20282212)
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研究分担者 |
太田 裕子 羽陽学園短期大学, 幼児教育科, 非常勤講師 (40442016)
佐藤 輝幸 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (30400493)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 難治性好酸球炎症 / プログラム細胞死 / 好酸球性副鼻腔炎 / 好酸球性中耳炎 / 気管支喘息 |
研究開始時の研究の概要 |
新しい疾患概念である好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎などの好酸球性炎症は、難治性で重症気管支喘息の合併や聾などの高度難聴の原因となり大きな問題である。近年炎症の遷延化の機序としてアポトーシスと異なる新しいプログラム細胞死であるEosinophilic Extracellular DNA trap cell death(EEtosis) が注目されているが、難治性好酸球性炎症疾患の病態はまだ不明である。好酸球性炎症疾患における炎症の重症化と遷延化の病態におけるEETosis関与と関連する新規分子を標的とした治療方法の開発が本研究の目的である。
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研究実績の概要 |
新しい疾患概念である好酸球性副鼻腔炎や好酸球性中耳炎は、鼻・副鼻腔あるいは中耳に好酸球が浸潤する難治性疾患である。局所への好酸球の浸潤、粘調性の極めて高い貯留液、気管支喘息の高率な合併、従来の治療法に抵抗性であることが特徴である。新規分子であるぺリオスチンが慢性副鼻腔炎などの上気道粘膜組織の線維化に重要な役割を果たしており、慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎などの鼻疾患では、鼻腔洗浄液中のぺリオスチンの濃度が疾患の重症度と強く相関することを見出し、従来のレントゲン、内視鏡、CTなどに換わり得る簡易補助診断法として特許を取得した。本研究では、この新技術を生かして難治性好酸球性疾患の病態である炎症の重症化と遷延化におけるペリオスチン分子の関与について検討するとともにこの分子が全身合併症を予測するバイオマーカーとして活用できる可能性、さらにペリオスチンを標的とした治療法を開発することが目的である。近年症の遷延化の機序としてアポトーシスと異なる新しいプログラム細胞死であるEosinophilic Extracellular DNA trap cell death(EEtosis) が注目されている。好酸球性中耳炎のマネージメントの上で安全確実で低侵襲な診断方法の開発と疾患管理上有用なバイマーカーの確立が需要な目的である。そのために血液、鼻腔粘液あるいは耳漏中のEEtosisの程度とぺリオスチンの濃度の関連性について比較し、疾患活動性の指標および気管支喘息などの全身合併症や好酸球性中耳炎の聾を含めた高度難聴の発症を予測するバイオマーカーとなる可能性について検討を行った。その結果、好酸球性中耳炎の局所では慢性中耳炎とは異なりEEtosisが生じていることが確認された。さらに、EETosisの程度は好酸球性中耳炎の局所に浸潤する好酸球と相関し、炎症の重症度と関連する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
好酸球性中耳炎の局所では慢性中耳炎とは異なりEEtosisが生じていることが確認された。さらに、EETosisの程度は好酸球性中耳炎の局所に浸潤する好酸球と相関し、炎症の重症度と関連する可能性が示唆され予定している研究はおおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
好酸球性中耳炎の局所では慢性中耳炎とは異なりEEtosisが生じていることが確認された。さらに、EETosisの程度は好酸球性中耳炎の局所に浸潤する好酸球と相関し、炎症の重症度と関連する可能性が示唆された。局所ステロイドの反応性とEETosisの程度との関連や、聾など高度難聴に至る病態におけるEETosisの役割について検討を継続する予定である。
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