研究課題/領域番号 |
21K09569
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
松延 毅 日本医科大学, 医学部, 准教授 (00332205)
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研究分担者 |
大久保 公裕 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (10213654)
佐藤 泰司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生化学, 教授 (10505267)
藤岡 正人 北里大学, 医学部, 教授 (70398626)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | Erk-2 / 転写因子 / 内耳障害 / ノックアウトマウス / 内耳性難聴 / 酸化ストレス / 音響外傷 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は強大音暴露による急性音響外傷のよりモルモット蝸牛組織内においてストレス応答転写制御因子であるActivator protein-1(AP-1)のDNA binding活性が増強することを証明した(Matsunobu et,2004)。最近になり中枢神経組織、肝組織などにおいて有害刺激や保護刺激を受けた場合にMEK/Erk経路が活性化され、上記のストレス応答転写因子AP-1がさらに活性化され種々のストレス応答遺伝子を制御していることが提唱されている。MEK/Erk経路が聴覚障害・耳鳴発症へ及ぼす影響を詳細に検討することにより内耳性難聴の有効な治療法・予防法の開発に寄与すると考えた。
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研究実績の概要 |
加齢性難聴のモデルマウスや急性感音難聴のモデルとしての急性音響外傷モルモットの作成を行い、それらのモデルを用いて急性音響外傷における転写制御因子Activator protein-1(AP-1)およびHypoxia inducible factor-1 (HIF-1)などのストレス応答分子の動態の観察を生化学的および形態学的手法を用いて行っている。神経特異的Erk1/2コンデイショナルノックアウトマウス(防衛医科大学校薬理学講座佐藤泰司との共同研究)は、佐藤らが世界で初めて報告したものであり大変有用である。このマウスから作製された内耳特異的Erk1/2コンデイショナルノックアウトマウスの聴覚特性の解析することにより、内耳障害を引き起こす可能性のある分子ネットワークを網羅的に解析、検討することが可能となり、内耳障害の診断と治療、またその進行の独創的な予防法が明らかになると考えられる。現在、Erk2の内耳特異的コンディショナルノックアウトマウスの作製がほぼ終了して聴覚機能の解析を開始している。本内耳特異的本コンディショナルノックアウトマウスは形態学的な異常は特にないことを確認した。また、今回作製したマウスにおいて、内耳組織に特異的にErk2が発現していないことが確認された。ABR(Auditory Brainstem Response)による聴覚機能検査を現在行っている(慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科藤岡正人との共同研究)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在、免疫組織化学による正常内耳組織及び音響外傷モデルマウスの内耳におけるマクロファージの局在についての検討を行っている。永久的閾値上昇(Permanent threshold shift, PTS)モデルマウスにおけるマクロファージの局在について免疫組織化学にて検討を行い、音響負荷後72時間後に蝸牛基底板、外側壁、らせん神経節にマクロファージが出現することが示された。
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今後の研究の推進方策 |
一過性に感音難聴を呈する一過性閾値上昇(Temporary threshold shift, TTS)のモデルマウスにおけるマクロファージの出現と時間経過を検討し、マクロファージが音響負荷に他対し炎症促進に働くのか防御的に働くのかを検討する予定である。 研究の推進方策については、ABR測定や組織化学を手わけして効率よく行うよう努力することとする。
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