研究課題/領域番号 |
21K09575
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 愛知県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
鈴木 秀典 愛知県がんセンター(研究所), 分子腫瘍学分野, 研究員 (70470169)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / 個別化治療 / 救済治療 / 糖代謝 / 化学放射線治療 / FDG-PET/CT / 感受性診断 / 個別化救済治療 / 治療法開発 / 新型コロナウィルス / パンデミック |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部癌化学放射線治療後の残存や再発に対する救済治療に手術、多剤抗癌剤や免疫チェックポイント阻害薬単剤、さらに光免疫治療と多岐な手法を持つ背景がある。本研究の目的は、頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別化救済治療開発だ。FDG-PET/CTの糖代謝診断による初回頭頸部癌の個別化治療法とは違い、糖代謝と感受性診断、さらにリンパ節や遠隔転移、生存率や各救済治療法による治療奏功率の臨床経過を比較する。本研究で糖代謝と感受性診断を個別化救済治療に臨床応用するように、基礎的かつ臨床的意義まで明らかする。
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研究実績の概要 |
研究課題である「頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別化救済治療開発」に対して令和4年度は、「頭頸部癌に対するFDG-PET/CTの予後予測に関する後ろ向き多施設共同研究」として愛知県がんセンター病院倫理審査委員会の許可され研究を実施した。個別化治療開発を目的とする本研究は、頭頸部癌の原発部位や対象術式の特徴を含めて評価し遂行した。また2022年9月には、「咽頭癌におけるFDG-PET/CTによる重複上部消化管の診断能は、T病期に依存する。」という結果を国際英文誌のAnticancer Researchに発表した。また、2022年11月には、「頭頸部癌におけるオトガイ下皮弁再建術を実施した症例における切除頸部リンパ節から算出したLymph node densityにおける予後予測と術後治療法の提案」を研究結果と共に考察し、国際英文誌Biomedicinesに公開した。さらに、頭頸部癌症例を研究実施する中で、頭頸部悪性腫瘍の稀少である頭頸部肉腫についても研究結果を公開することができた。肉腫に関する研究は、「頭頸部悪性腫瘍患者に関する組織型に着目した後ろ向き観察研究」として愛知県がんセンター病院倫理審査員会の許可の上で遂行した。2023年2月には、「頭頸部肉腫患者における全生存率に対する年齢の影響が単変量かつ多変量解析においても予後予測因子である。」という結論をMedicineに英文公開した。上記筆頭著者で2つ、筆頭著者と同等の著者として1つの合計3つの国際英文誌へのPeer reviewの基にした発表によって、本研究結果のみならず研究目的や手法も、研究実績としても公開できた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究課題に対して令和4年度も、令和3年度に引き続き愛知県がんセンター倫理審査員会の許可の元に研究を遂行した。研究成果としてPeer reviewを要する3本の国際英文誌への公開は、頭頸部癌の更なる個別化医療への多変量解析を含めた生存分析や病理組織学的評価、さらにFDG-PET/CTによる糖代謝測定法等の研究手法や分析が、国際基準であると評価を受けた。 日本耳鼻咽喉科学会や日本頭頸部外科学会などの発表から、研究成果への公開とともに国内研究者とも議論もでき、今後の研究発展へ繋がる活動ができた。 刊行された研究成果だけでなく、本研究から複数の新規知見を有して、英文論文を複数作成し国際英文誌に投稿中である。 以上から、本研究は、複数の英文国際誌への公開と共に研究データも蓄積しておりおおむね順調に進展いるものと判断した。
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今後の研究の推進方策 |
「頭頸部癌化学放射線治療後の糖代謝と感受性診断による個別化救済治療開発」を研究目的として令和5年度は、研究計画の最終年度になり研究結果の発表と公開に重きを置くことを研究の推進方策としている。国際英文誌や学会発表を通じPeer reviewや対面での国内外の研究者との議論を通じて、より広く役立つ研究成果となる様に遂行する。 研究費は、検体分析や統計解析、また学会発表や英文校正、さらに英文掲載料に使用し、研究を遂行していく。
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