研究課題/領域番号 |
21K09576
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター) |
研究代表者 |
益田 宗幸 独立行政法人国立病院機構(九州がんセンター臨床研究センター), その他部局等, 副院長 (90284504)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 頭頸部癌 / epigenetics / super enhancer / YAP1 / 共生的進化 / 転写中毒 / 頭頸部癌進化 / エピジェネティクス / 転写リプログラミング |
研究開始時の研究の概要 |
我々はこれまでに、頭頸部癌は、少数の遺伝子異常よりも、epigeneticに遺伝子発現プロフィールをリプログラミングしながら、環境ストレスに適応し進化する複雑適応進化系であるのもとで、研究を進めてきた。これまでに、YAP1による組織再生転写プログラムプが、この進化系の重要なドライビングフォースである事を示唆するデータを得ている。本研究ではこのメカニズムを包括的な手法により詳細に解析する。
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研究実績の概要 |
統合的エピジェネティク解析により以下のような知見が得られている。 1)YAP1によるクロマチンリモデリングとTP53変異 マスス発癌モデルとヒト標本(正常・癌・リンパ節)を利用したChip-seqの結果からは、ゲノムワイドなクロマチンアクセスビリティー(H3K9me2/3の分布)は両者で有意な変化が認められなかったが、ヒトではエンハンサーマーク(H3K27ac)やYAP1 intensityに変化が認められた。 2)YAP1によるエンハンサーリモデリング・TF(転写因子)スイッチ→適応進化 YAP1はHNSCCのSEの97%に含まれSE形成に必須な分子であり、HNSCC促進的サイトカインであるIL6とYAP1SEの間にfeed-forward loopが形成されていることが確認された。これまでYAP1の標準的なパートナーTFはTEADやAP1とされてきた。しかしながら、われわれの解析結果は、YAP1は腫瘍微小環境(TME)に反応してSE内でパートナーTFをスイッチ→標的遺伝子変化→細胞リプログラミングのレパートリー変化:e.g., 発癌浸潤(FOXM1、ΔNp63);幹細胞性の獲得(SOX2)(業績9)→適応進化を促進する能力があることを示している。さらに、ヒト標本(正常→癌→リンパ節)に対するChi-seq、RNA-seqの結果からリンパ節転移標本に特徴的に認められるYAP1-SE標的遺伝子群(cluster 5)を同定した。cluster 5遺伝子はTCGAデータで癌特異的に発現しており、その活性は患者の予後を不良とする。この、cluster 5に対するTFモチーフ解析からPITX2 TFを同定した。PITX2蛋白の高発現はHNSCCの予後不良因子となるが、YAP1との共発現でさらに予後を不良とする。
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