研究実績の概要 |
頭頸部癌細胞株(SCC9、SCC25、Fadu、A253、Detroit532)に、セラミドナノリポソーム (CNL)と、セラミド誘導体(YM-71、RT-07)を投与し、Cell Titer-Glo Cell Viability Assayを行い、それぞれの生細胞率計算とIC50を求めた。 96wellのプレートにそれぞれの癌細胞株を4000細胞ずつ播種し、1μM、3μM、10μM、30μM、100μMの濃度のCNL、YM-71、RT-07を投与し、24時間後にCell Titer Glo 2.0 Cell Viability Assayで生細胞率測定を行った。 結果では、CNL、セラミド誘導体ともに、頭頸部癌細胞株において、時間および濃度依存的な細胞生存率の低下を誘導した。CNLとセラミド誘導体(YM-71、RT-07)は、感受性の異なる頭頸部癌細胞株で、濃度依存的に細胞生存率の低下を誘導した。 ゴーストリポソームとコントロールで処理したすべての細胞株では、有意な細胞死は起こらなかった。セラミド誘導体のIC50が、CLNに比べて非常に低いことがわかった。 CNL IC50 SCC9:59.53, SCC-25:26.39, A253:47.53, FaDu:60.35, Detroit562: 77.69, YM-07 IC50 SCC9:15.76, SCC-25:11.62, A253:22.13, FaDu:12.66, Detroit562: 11.9, RT-71 IC50 SCC9:16.91, SCC-25:12.65, A253:26.04, FaDu:12.44, Detroit562: 12.03 また、これらをin vivoで検証するため、癌細胞株を移植したマウスの作成を行った。日本SLCから購入したBALB/c nudeマウスに、頭頸部癌細胞株(Fadu,Scc25,A253)を、それぞれ200万細胞ずつ肋間に移植した。現在、測定を行い、生着を確認するところである。今後、そのモデルマウスにCLNとセラミド誘導体を投与し、腫瘍縮小効果を確認する。
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