研究課題/領域番号 |
21K09585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
鈴木 幹男 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00226557)
|
研究分担者 |
池上 太郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00754409)
真栄田 裕行 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264501)
平川 仁 琉球大学, 病院, 講師 (50437993)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | Torin / mTOR阻害薬 / 頭頸部癌 / ヒト乳頭腫ウイルス / エベロリムス / テムシロリムス / 薬剤感受性 / 増殖抑制 / PI3K/Akt/mTOR / PI3K/Akt/mTOR経路阻害 / ラパログ / PLD阻害 / 新規低侵襲治療 |
研究開始時の研究の概要 |
頭頸部癌治療には生命予後だけでなく、治療後のQuality of Survivalが重要である。増加が著しいヒト乳頭腫ウイルス関連癌では世界中で治療強度を下げながら治療効果を保つ取り組みがおこなわれている。ただ、現時点で確立された方法はなく、低侵襲治療開発の継続が必要である。頭頸部癌ではPI3K/Akt/mTOR経路活性化が腫瘍増殖に深く関連していることに着目し、効果的なPI3K/Akt/mTOR経路阻害プロトコールを作成し,低侵襲で安全性の高い新規治療法開発をめざす。
|
研究実績の概要 |
頭頸部癌細胞におけるPD-L1発現とTorinによるmTOR阻害による影響:低酸素条件下で培養した頭頸部癌細胞株では、プラチナ・タキサン・5-FU抗癌剤投与にて、PD-L1発現が上昇した。さらに同様の現象をTorinによるmTOR阻害によって生じることを証明した。PLD阻害薬は臨床容量では頭頸部癌細胞への影響は少なかった。一方,TorinとてmTOR阻害薬のエベロリムスは臨床容量では有意に頭頸部癌の増殖を抑制した。さらにTorinとエベロリムスを併用することにより,臨床容量よりもさらに低濃度で増殖を抑制 することが確認出来た。この濃度条件を用いて,in vivoアッセイを実施した。免疫不全マウスに頭頸部癌細胞株を皮下投与した。4週間の間に3回薬剤投与を行ったところ,有意に腫瘍増殖を抑制 することに成功した。本研究期間の間に,Torin, PLD阻害薬,mTOR阻害薬を用いて,各種細胞株の増殖抑制を検討した。これにより副作用の少ない臨床容量でも,薬剤の組み合わせを工夫することよって頭頸部癌細胞を効率的にアポトーシスへ導き,in vivo研究でも有用性が期待できる結果を得ることができた。HPV感染の有無とその効果については一定の結果を得られなかった。一方,siRNAによるRaptor,Rictorのノックダウン研究はまだ途中の段階であった。ヒト頭頸部癌標本の検討では,HIF-1α,Raptor,Rictorの発現と予後の関連を解析し,データを検討中である。また,研究中に低酸素条件がTorinやmTOR阻害薬の効果を変化させることが確認されたため,新たな実験系を作成しその関係を検討している。
|