研究課題/領域番号 |
21K09593
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
杉田 侑己 関西医科大学, 医学部, 助教 (50786697)
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研究分担者 |
岩井 大 関西医科大学, 医学部, 教授 (10232638)
小林 良樹 関西医科大学, 医学部, 講師 (10375298)
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (70115947)
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 教授 (70375244)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 加齢性難聴 / 老人性難聴モデルマウス / Treg / IL-1 type2 receptor / 胸腺移植 / 細胞性免疫機能改変 / NO / Oxi-Inflamm-Aging / 老人性難聴 / 胸腺 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者の教室では老人性難聴モデルマウス SAMP1の難聴が、細胞性免疫機能改変にて予防できることを示してきた。 このマウスは早期に胸腺萎縮が生じて細胞性免疫機能老化を起こす。臨床に応用する次のステップとして、老人性難聴モデルマウスとして汎用されるが免疫機能老化に乏しいC57BL/6マウスとeGFP(遺伝子改変緑色蛍光蛋白)マウス(C57BL/6にeGFP遺伝子を導入)を用いる。このマウスの胎児胸腺を、胸腺摘出されたC57BL/6の腎被膜下に移植して、胎児胸腺から全身、特に蝸牛に散布する蛍光のリンパ球・マクロファージを追跡し、全身免疫機構と蝸牛機能との関連性を解析する。
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研究実績の概要 |
報告者らは以前、老化促進モデルマウスであるSAMP1を用いて、胎児胸腺の腎被膜下移植や同系若齢マウスの凍結保存リンパ球接種により難聴の進行が予防されることを明らかにしている。 2022年度は科研費2年目にあたる。2021年度にホストとなるC57BL/6マウスを購入し、6群:C57/BL6マウスにおいて若齢(2か月齢)マウス群、無処置群、コントロール(生食接種、SHAM手術)群、eGFP胎児マウスの胸腺を移植する群、若齢eGFPマウスのリンパ球を接種する群、eGFPマウスにおいて無処置群を作製した。若齢eGFPマウスリンパ球を予め凍結保存しておき、4か月齢から1.5か月ごとに計5回リンパ球接種群に接種を行った。胸腺移植群には4か月齢、8か月齢において腎被膜下に移植を行った。12か月齢(若齢群は2か月齢)においてABR、Tリンパ球機能検査、リンパ球フローサイトメトリー、血清採取、蝸牛採取、胎児胸腺が移植された腎臓採取、脳採取、肝臓採取などを行った。 2022年度には、それぞれにおいて各種アッセイ(Nitric Oxide測定、胸腺移植群での腎被膜下移植片の病理学的生着確認、蝸牛のHE染色や免疫染色による組織学的検討、リアルタイムPCRによる蝸牛や各臓器のアポトーシスや炎症の遺伝子測定)を行った。 C57BL/6マウスにおいても難聴の進行が有意に予防されていた。しかし、血清Nitric Oxideなど有意差を認めないものもあった。 血清中の酸化ストレスの上昇はないものの、加齢による難聴の進行があり、処置により進行予防を認めている。何が原因となっているのかいまだ明らかとなっていないことも多い。機序を明らかにするため、より上流である骨髄細胞を用いて検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であるC57BL/6マウスの実験は終了し、アッセイの結果もそろってきている。有毛細胞など十分なデータを集められていないものもあるが、それと並行して骨髄細胞を用いた次の実験を開始出来ている。
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今後の研究の推進方策 |
老化促進モデルマウスであるSAMP1をホストとし、コントロール群(生食接種、SHAM手術)、胸腺移植群、骨髄移植群、胸腺移植+骨髄移植群、培養した骨髄細胞移植群を作製した。2023年度はこれらの処置を行い、12か月齢で組織採取を行い、解析、検討を行っていく予定である。
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