研究課題/領域番号 |
21K09613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
金子 真美 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研修員 (20868591)
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研究分担者 |
平野 滋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10303827)
杉山 庸一郎 佐賀大学, 医学部, 教授 (50629566)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 干渉波電気刺激 / 喉頭感覚刺激 / 発声 / 脳幹 / 痙攣性発声障害 / 中枢調整機構 / 喉頭感覚 |
研究開始時の研究の概要 |
痙攣性発声障害は難治性の神経原性発声障害である。喉頭ジストニアと考えられているが病態については未だ不明な点が多い。甲状軟骨形成術Ⅱ型、ボツリヌス療法が治療法として提唱されており、効果が実証されている。しかしこれらは末梢臓器である喉頭に操作を加えているにも関わらず、病態の本態である中枢調節機構が改善するという病態生理学的には説明困難な治療法である。本研究は痙攣性発声障害に対する治療の本当の作用メカニズムを解明するための基礎的基盤となる研究である。この研究は痙攣性発声障害の病態メカニズムの解明の一助となるだけでなく、上記治療法の作用メカニズムを解明する大きな一歩となる可能性を秘めている。
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研究実績の概要 |
【当該年度の目的】喉頭感覚入力は発声に関与し、発声呼気、吸気時間や基本周波数、内喉頭筋の筋活動などに影響を与えることがこれまでの研究により示されている。しかし、喉頭感覚入力を介する発声のフィードバックメカニズムは十分に明らかにされているとは言えない。経皮的頸部干渉波電気刺激は、非侵襲的に咽頭喉頭感覚を刺激することが示されており、臨床においても嚥下障害への治療機器としてすでに使用されている。喉頭感覚刺激による発声への影響についてはこれまで様々な手法が用いられてきたが、今回我々は動物用干渉波電気刺激装置を用いて、喉頭感覚刺激が脳幹の発声経路にもたらす影響を検討し、当該年度は特に喉頭感覚刺激の強弱について検討した。 【方法】除脳モルモットを用いて中脳中心灰白質もしくは橋発声経路への電気刺激により発声を誘発し、更に干渉波電流刺激による喉頭感覚刺激を付与して発声運動の音声強度および音響的変化を解析したN=10)。同時に外腹斜筋・横隔膜の筋電図測定を行い、発声時筋活動を記録した。またGABA受容体作動薬を孤束核に注入し、干渉波電気刺激による刺激効果を検証した(N=8)。また発声時の呼気流・声門下圧も計測した(N=5)。また喉頭感覚刺激に誘導されて核に局在するリン酸化タンパク質で、脳内の機能的活性を評価するマーカーであるc-Fosの免疫染色を行うために、喉頭感覚の強刺激、弱刺激、コントロールの刺激条件を設定して喉頭感覚刺激を行った(N=9)。c-Fosの免疫染色も施行した。 【当該年度に得られた結果】c-Fosの免疫染色の結果としては、喉頭感覚の強刺激では孤束核と疑核に陽性細胞を多く認めたが、弱刺激では孤束核には陽性細胞を多く認めるものの疑核の陽性細胞数は多くなかった。 【当該年度実験の意義・まとめ】喉頭感覚刺激の強弱で疑核の陽性細胞数に差が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は上記の染色実験に労力を注いだ結果、全般的に安定的なデータを採取できたと考えられる。これはプロトコールとしては順調に進んでいると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
種々の感覚刺激で誘導されて核に局在するリン酸化タンパク質で、脳内の機能的活性を評価するマーカーであるc-Fosの免疫染色を行い、解析もほぼまとまってきた。データの不足がないかどうかを確認しながら論文作成に必要な他の実験結果も統計的にまとめていく。
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