研究課題/領域番号 |
21K09617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
大江 洋子 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (90803180)
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研究分担者 |
神谷 和作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10374159)
松本 文彦 順天堂大学, 医学部, 教授 (70445584)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | SARS-Cov2 / レンチウィルス / ギャップ結合複合体 / 薬剤選抜法 / 新型コロナウイルスSARS-CoV2 / 鼻腔感染阻害薬 / レンチウイルス |
研究開始時の研究の概要 |
当グループでは遺伝性難聴においてギャップ結合の過剰なエンドサイトーシスを伴う病態メカニズムを発見し、同病態を阻害する薬剤を選抜する新たなスクリーニング技術「GJscreen」を開発した。ギャップ結合形成がコロナウィルス感染に関与する報告があることから、選抜された薬剤にエンドサイトーシス抑制によるCOVID19の感染阻害効果も合わせ持つ物質が含まれるとの仮説を立てた。本課題ではこの薬剤選抜法によりSARS-CoV2感染の鼻腔上皮細胞への阻害効果を持つ候補物質を複数見出し、鼻腔粘膜検体での感染阻止能を評価し臨床応用を目指すと同時に今後のウィルス変異株や新興再興感染症のための創薬技術を確立する。
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研究実績の概要 |
COVID19の初期症状に見られるように、経鼻感染が特徴的なウィルス感染症への治療法開発では鼻粘膜上皮細胞や鼻粘膜組織を用いたin vitro感染阻止能の評価実験が有効となる。本研究ではBSL2の範囲内で治療薬開発ができるレンチウィルスにSARS-Cov2等のウィルスの単一スパイクタンパク質(S-protein等)のみをエンベロープに置換することにより、BSL2レベルのin vitro感染実験で新興再興感染症の感染を阻止する治療薬を開発することを目的とする。これまで武漢型(Lenti-Cov2-S-GFP)とベンベロープSタンパク質にD614G変異を持つ欧州型(Lenti-Cov2-S-D614G-GFP)を作成した。SARS-Cov2偽型レンチウイルスは緑色蛍光タンパク質を発現し、SARS-Cov2の疑似エンベロープとしてSARS-Cov2 S-Protein(武漢型とD614G変異を持つ欧州型)を有する、対象群として通常用いられるVSVGをエンベロープに持つレンチウィルス(Lenti-VSVG)を用い一般的なレンチウィルスへの感染との相違を求めることによりCOVID19特有の感染阻害効果を示す薬剤を選抜した。これまでの研究では、あるペプチド分子の存在の有無下でのヒト上皮細胞におけるLenti-CoV2-S-GFPの感染についての評価を行った。ヒト上皮細胞をSARS-CoV-2-S疑型GFPレンチウイルス(Lenti-CoV2-S-GFP)に感染させ(MOI=100)、コントロール、該当ペプチドの分子種(各10 μg/mL)で24h刺激した。その結果、同細胞へのレンチウイルスの感染を確認した。対照的に他の分子種3種では効果を見られなかった。この結果から、同ペプチド分子種がSARS-CoV-2による感染を抑制する可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度よりコロナ禍により細胞実験の実施計画の変更が余儀なくされ、遅れが生じたため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで用いてきた鼻腔上皮細胞、気管上皮細胞に加え、さらに感染効率が比較的高い細胞の準備を行いin vitroウィルス感染実験を実行する。当グループの予備実験では、HeLa細胞、HEK細胞、293T細胞、ヒト鼻腔上皮細胞(HNE)、気道上皮細胞への感染実験を行い GFPの陽性率により感染率を測定している。
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