研究課題/領域番号 |
21K09635
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
池上 太郎 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00754409)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 喉頭乳頭腫 / 内反性乳頭腫 / E4 / HPV-6 / HPV-11 / EGFR / ヒトパピローマウイルス / IP / E5a / E5b / E4抗体 / HPV / laryngeal papillomatosis / 声帯 |
研究開始時の研究の概要 |
研究代表者はこれまでHPV-6感染・喉頭乳頭腫検体を用いて、HPV-6の全遺伝子の発現を調べ、乳頭腫においてE4、E5aおよびE5bの3遺伝子が圧倒的に発現しており、その他の遺伝子はほとんど発現していないことを発見した。なかでも顕著な特徴の1つとして、この3遺伝子の発現は同期していた。このことから、乳頭腫形成においてE4、E5aおよびE5bが最も重要な機能を担っていることが予想された。そこで、本研究では乳頭腫におけるE4、E5aおよびE5bの各機能を解明し、さらにこの3つのウイルスタンパク質が同期して働くことが乳頭腫形成メカニズムにおいてどのような役割があるのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
HPV-11感染乳頭腫におけるウイルスDNA量、9つの遺伝子発現量、各ウイルス遺伝子の乳頭腫内での局在を明らかにした。さらに最も発現していたE4がタンパク質に翻訳されて機能しているのか明らかにするため、抗体を作製した。その結果、乳頭腫においてE4が発現する細胞は構造が破壊されており、細胞の核内には子ウイルスで満たされていた。このことから、E4が子ウイルスの維持、放出に関与することが示唆された。鼻副鼻腔における内反性乳頭腫(IP)におけるHPV感染の有無および上皮成長因子受容体(EGFR)のエクソン20の変異が関係するのか調べた。IPからSCCへの悪性転化には高リスク型HPVの関与が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HPV-11関連乳頭腫においてHPV-6と同様にE4、E5a、E5bの3遺伝子の発現が約9割を占めていることを明らかにした。我々が開発した抗HPV-6抗体と抗HPV-11E4抗体はHPV-6E4とHPV-11E4を識別でき、交差反応性のない優れた抗体である。内反性乳頭腫(IP)においてEGFRのExon20の領域のinframe insertionが鍵となっていること、IPからSCCへの悪性転化に一部に高リスク型HPVが関与する可能性を示した。さらにde novo SNSCCの約3割においては高リスク型HPVががん化に関与する可能性が高い。
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