研究課題/領域番号 |
21K09683
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小澤 洋子 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任准教授 (90265885)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 網膜 / 網膜色素変性 / 網膜神経保護 / 失明 / iPS細胞 / 神経保護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、有効な治療法が無い網膜色素変性という遺伝性神経変性疾患の、新規神経保護治療法の開発を目的とする。申請者らはこれまでに、疾患iPS研究を行い、小胞体ストレスを標的とした神経保護治療の可能性を提案した。また別途、ストレス下においても継続的エネルギー供給をすれば、視細胞死を抑制し生存を促進できることを報告した。そこで、小胞体ストレスとエネルギー代謝の両方を制御しうるシャペロンタンパクである4-phenylbutyric acid (PBA)を用い、網膜色素変性モデルマウスにおける治療効果とそのメカニズムを解析する。これにより将来の新規治療法の開発、すなわち臨床応用につなげる。
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研究成果の概要 |
網膜色素変性は、遺伝子変異により生じる網膜視細胞もしくは網膜色素上皮細胞の変性に基づく失明疾患であり、そのメカニズムには不明の点が多い。本研究ではロドプシン変異を持つ網膜色素変性モデルマウスにおいて候補薬剤による網膜変性抑制効果、すなわち網膜神経細胞の保護効果とそのメカニズムの一端を解明した。そして、候補薬剤が視細胞の生存の促進と視機能低下の抑制に役立つこと、その背景メカニズムは小胞体ストレスの抑制である可能性を示した。網膜色素変性のための新規進行抑制治療法の開発につながる結果であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
網膜色素変性は4000-8000人に1人という高率に生じる遺伝性疾患で国内失明原因の第2位を占める。RPE65遺伝子変異に伴う変性にのみ遺伝子治療が適応になったが、それ以外の原因遺伝子を持つ、もしくは原因遺伝子が同定されない症例に対しては治療法が無い。本研究でロドプシン変異に伴う変性のメカニズムの一端を解明し薬剤候補を示した学術的意義は大きい。更に、小胞体ストレスを来す他の変異を持つ症例にも応用しうる薬剤治療の開発につなぐ研究となった。これにより、多くの症例に適応可能な治療法の開発につながったため、社会的意義は大きい。
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