研究課題/領域番号 |
21K09691
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
戸所 大輔 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (40436324)
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研究分担者 |
作田 庄平 帝京大学, 理工学部, 教授 (80192087)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 真菌性角膜炎 / フザリウム / マイコトキシン / フモニシン / 真菌 |
研究開始時の研究の概要 |
真菌(カビ)が角膜に感染した状態が真菌性角膜炎であり、感染性角膜炎のなかで最も重篤で、治療も難しい。重症例では角膜移植、眼球摘出術などの手術を必要とし、失明に至る場合がある。本研究では、真菌性角膜炎の原因となる真菌のなかで最も頻度が高いフザリウムを対象として真菌が生産するマイコトキシン(カビ毒)が真菌性角膜炎の重症度に関与しているかどうかを明らかにする研究である。
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研究実績の概要 |
真菌性角膜炎の原因となる真菌(カビ)のなかで最も頻度が高く、しかも重症なのがフザリウムによる角膜炎である。フザリウム角膜炎は、角膜実質の融解を示さない例もあるものの、ときに強い角膜実質融解を示す場合があり、そのような症例は早期に角膜穿孔に至るためとくに予後が悪い。このようにフザリウム角膜炎の重症度にバリエーションがあることは宿主側の要因だけでは説明できない。フザリウム角膜炎におけるフザリウムの分泌性因子の関与を明らかにすることが本研究の目的である。 角膜炎を起こすフザリウム属真菌のなかで最も重要な菌種はFusarium solaniである。文献的考察の結果からフザリウム属のマイコトキシンのうち、フモニシンが最も角膜炎の重症化に関与している可能性があることが報告されていた。我々はF. solaniの臨床分離株を対象にフモニシン産生遺伝子の有無をPCR法で検索したが、F. solaniはフモニシン産生遺伝子群を持たず、フモニシンを産生しないと考えられた。フモニシン以外のマイコトキシンも対象とし、F.solaniの産生する分泌性因子について広く検索を進めたところ、シクロスポリンを産生している可能性があることが分かった。 シクロスポリンは真菌Tolypocladium inflatumの二次代謝産物として発見され、現在では免疫抑制薬として広く使用されている。我々は、角膜炎から分離されたFusarium solani株の多くがシクロスポリン合成遺伝子クラスターを保持していることをPCR法およびDNAシークエンスで確認した。さらに、in vitroでシクロスポリンを産生していることを高速液体クロマトグラフィー法で確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
マイコトキシンの検討を行うなかで、F. solaniはシクロスポリンをin vitroで産生することを発見した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は角膜炎から分離されたF. solaniがex vivoつまり角膜組織内でシクロスポリンを産生するかどうかを検討する。
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