研究課題
基盤研究(C)
本研究では、網膜をapical /basal方向に縦に貫くミューラーグリアにおいてサイトカインの放出に不均一性があるのか、特にプロセス先端付近で放出されるサイトカインの種類やタイミングが、神経節細胞側と視細胞側で異なるのか、について正常時、視細胞変性時、v-Ras発現-マイクログリア、加齢マウスにおいて、時間軸を追って検討を加え、その意義を明らかにする。
網膜内の微少炎症環境の不均一性について検討し、網膜内の炎症像を4次元的に把握することを目標とした。網膜内の局所特異的なタンパク発現を明らかにするために、網膜の特定の領域をレーザーマイクロダイセクションで切り出し、LC-MSで網羅的に同定し、網膜変性の時間軸でのタンパク発現の時空的変化を示した。複数の変性モデルを用いて、同様の検討を行い、同時に感度を上げる技術開発を行い、当初の20倍程度のタンパク質が同定できるようになった。マイクログリアと神経細胞の共培養系では、ライブセル解析システムを用いて細胞貪食を定量的に解析することが可能になり、様々な細胞種、条件下での検討を行った。
視細胞変性症は、糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性症、網膜色素変性症などいずれも発症は加齢と強く関係し、この背景として、眼内での炎症サーキットの活性化が想定されるがその実体と分子機序、さらになぜ視細胞が選択的に変性していくのかは不明である。本研究により、網膜内で不均一な炎症像が観察されることが示され、炎症制御を時間軸とともに、空間的にも捉えて、標的を明確にして行う戦略につながる重要な手掛かりとなった。また、組織の切片を切り出してタンパク質を網羅的に同定する手法は、サンプル調整に高度な機器や技術も不要で汎用性が高いものである。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 8件、 オープンアクセス 4件)
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