研究課題/領域番号 |
21K09694
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
林 篤志 富山大学, 学術研究部医学系, 教授 (20283773)
|
研究分担者 |
吉田 淑子 富山大学, 医学部, 客員教授 (00171421)
荒井 健一 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 研究員 (40752960)
大塚 光哉 富山大学, 学術研究部医学系, 助教 (60868298)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 虚血再灌流 / 網膜 / 水素ガス |
研究開始時の研究の概要 |
網膜虚血再灌流障害を抑制する臨床応用可能な治療の選択肢として水素ガス吸入療法を行うために動物モデルを用いて水素ガスの再灌流障害の抑制効果を検討する。検討項目として網膜虚血再灌流後、72時間、7日後について組織学的に水素ガス効果を網膜厚の測定、網膜内活性酸素の可視化、虚血で誘導される核内因子やサイトカインなのどの免疫染色および遺伝子発現解析を行う。水素ガスは人体に無害であることが証明されており、本研究で網膜障害の抑制効果を認めれば、網膜に対しての初めての治療となり、臨床応用への基礎データを提供できる。
|
研究成果の概要 |
SDラットを用いて網膜虚血再灌流障害を90分作成し、再灌流後3日後、7日後の網膜内層厚は、それぞれ85.9±6.3μm、60.8±6.7μmとコントロールの109.2±10.7μm と比較して菲薄化がみられた。一方で90分の虚血作成時に同時に2%の水素ガス吸入を行った群では、3日後、7日後の網膜内層厚はコントロールと有意差はなく、水素ガス吸入により網膜保護作用があることが示された。これらを英語論文として発表した。Otsuka M, Arai K, Yoshida T, Hayashi A.Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 2024;262:823-833
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳梗塞、心筋梗塞の虚血再灌流障害に対する動物実験での水素ガス吸入の効果はすでに報告されている。眼科領域では水素ガスを飽和させた点眼液の効果をラットの虚血再灌流障害で報告したものがあるが、臨床で実施困難である。本研究は、すでに高度先進医療として心停止後症候群に対して実臨床で実施されたのと同じ方法で、網膜の虚血再灌流障害に対する軽減効果を検討するものであり、過去に報告はない。本研究で2%水素ガス吸入により、網膜の虚血再灌流障害を抑制できることが明らかになったことから、今後の臨床応用に道を開き、臨床的意義、学術的意義、社会的意義は非常に大きい。
|