研究課題/領域番号 |
21K09702
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
納富 昭司 九州大学, 大学病院, 助教 (10836563)
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研究分担者 |
石川 桂二郎 九州大学, 医学研究院, 助教 (00795304)
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
中間 崇仁 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30827556)
武田 篤信 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40560313)
久冨 智朗 福岡大学, 医学部, 准教授 (50404033)
村上 祐介 九州大学, 大学病院, 講師 (50634995)
長谷川 英一 九州大学, 大学病院, 助教 (70636521)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 網膜 / オートファジー / リソソーム / LAMP2 / ダノン病 / 加齢黄斑変性 / 酸化ストレス / 網羅的脂質分析 / リピドミクス / 網膜変性 / 脂質代謝異常 / 脂質代謝 |
研究開始時の研究の概要 |
加齢黄斑変性 (AMD)では、網膜色素上皮細胞 (RPE) の基底膜下にドルーゼンが生じるが、その形成機序については不明な点が多い。我々はこれまでにAMD患者のRPEでLAMP2が減少している事とLAMP2欠損マウスでドルーゼン様の沈着物が生じる事を明らかにし、初期AMDの新たな病態モデルとして報告した。本研究では、このモデル動物を用いて網膜・脈絡膜の網羅的脂質代謝解析と補体活性化の分子機構解析により、AMDの病態を明らかにし、新しい治療標的の探索を行いたい。
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研究成果の概要 |
加齢黄斑変性の初期病態として見られるbasal laminar depositを生じるLAMP2欠損マウスを用い、LC-MSを用いた網羅的脂質分析によって検討した。その結果、LAMP2欠損マウスでは、肝臓や網膜で遊離脂肪酸が増加する一方、トリグリセリドやリン脂質は減少することがわかった。高齢になるほどその傾向は顕著であった。また加齢黄斑変性の病態に重要な酸化ストレスに対する耐性についても検討したところ、野生型マウスではほとんど影響を及ぼさない低用量のヨウソ酸ナトリウムによる酸化ストレスでも、LAMP2欠損マウスでは明らかな網膜色素上皮細胞の変性をきたすことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの研究でLAMP2欠損マウスは加齢により加齢黄斑変性の特徴の一つであるドルーゼン様沈着物を呈することを報告していたが、今回の研究により、その病態には遊離脂肪酸とリン脂質の著明な変化が生じていることが明らかになった。遊離脂肪酸が上昇し、リン脂質が低下する現象はLAMP2欠損マウスにおけるエネルギー代謝異常が関与している可能性がある。また酸化ストレス忍容性の低下、炎症細胞浸潤も関与していることが明らかになった。これらの結果から、ドルーゼンなどの加齢黄斑変性の前駆病変、特に脂質老廃物が蓄積する病態における新たな分子機序を解明することができた。
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