研究課題/領域番号 |
21K09706
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
神谷 和孝 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80439116)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 深層学習 / 円錐角膜 / 進行予測 / 前眼部光干渉断層計 / スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
円錐角膜は、角膜前方突出と菲薄化によって、進行するほど視機能が著明に低下する。レーシック後の角膜拡張症を回避し、視力予後を正確に評価する観点や角膜クロスリンキングの手術適応を適切に判断する観点から、本疾患のスクリーニング、病期分類、進行予測は重要な課題である。従来、角膜前面曲率の数値指標を特徴量として学習させていたが、深層学習は、画像全体の特徴量を効率よく抽出した学習が可能であり、前眼部光干渉断層計は、角膜前面曲率以外にも、さまざまな角膜前後面形状情報が精度高く取得可能である。今回研究代表者は、本装置画像の深層学習による円錐角膜の診断、病期分類、進行予測能の検証を計画した。
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研究実績の概要 |
北里大学病院・宮田眼科病院において円錐角膜と診断され、前眼部光干渉断層計(CASIA 2, Tomey社)およびプラチドリング式角膜形状解析(TMS-4, Tomey社)の撮像データが得られた連続症例300例300眼を対象とし、屈折異常以外に眼疾患を有さず、同撮像データが得られた症例300例300眼を対照とした。円錐角膜および正常眼の撮像データから、それぞれ角膜前面曲率、後面曲率、前面高さ、後面高さ、角膜厚、全屈折力のカラーコードマップを取得する。次に、これら6つのマップを用いて、合計600眼をいずれも無作為に等分した5グループに分け、深層学習と分割交差検証を行った。まず、4グループの各画像情報について、特徴量を定義せず、そのまま折り畳みニューラルネットワークを用いた深層学習(プラットフォーム: Pytorch・ネットワークモデル: ResNet18)を行った後、残り1グループに対して交差検証を行い、それぞれ角膜前面曲率、後面曲率、前面高さ、後面高さ、角膜厚、全屈折力の計6つの分類器を作成した。次に、これら6つの分類器を加重平均した上で、総合したスクリーニングテスト、病期分類を行い、感度、特異度、精度(適合度)、正確度をそれぞれ算出した。その結果、①円錐角膜の総合診断能③各単一画像(角膜前面曲率、後面曲率、前面高さ、後面高さ、角膜厚、全屈折力)別の診断能として正確度90%以上②総合病期分類能・各分類器の病期分類能として正確度80%以上④各形状解析装置(前眼部光干渉断層計・プラチドリング式角膜形状解析)はいずれも正確度90%以上も、前眼部光干渉断層計が良好な結果が得られている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度予定していた①円錐角膜の総合診断能(主要評価項目)②総合病期分類能③各単一画像(角膜前面曲率、後面曲率、前面高さ、後面高さ、角膜厚、全屈折力)別の診断能・病期分類能④各形状解析装置(前眼部光干渉断層計・プラチドリング式角膜形状解析)別の診断能・病期分類能の比較の4点については、予想より早く進捗しており、概ね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度以降の評価項目である①総合進行予測能(主要評価項目)②各単一画像別の進行予測能の2点については、進行眼および非進行眼の撮像データをできる限り多く収集した上で、予定通り研究を継続する。
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