研究課題
基盤研究(C)
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)は加齢とともに両眼の角膜内皮機能障害をきたす疾患であり、全世界の角膜移植例の39%の原因である重要な疾患である。本研究においては現在までのところ詳細不明である発症原因やリスク因子を解明することを目的として研究を行う。
フックス角膜内皮ジストロフィ(FECD)患者の体細胞における、TCF4遺伝子のCTGリピート異常(TNR)伸長の不安定性を評価した。69名のFECD患者に対してshort tandem repeat assayとtriplet repeat primed PCRで評価したところ、白血球由来ゲノムDNAでは69例中15例に50以上の異常伸長が認められた。異常伸長が見られた症例の白血球由来ゲノムDNAを用いてsmall pool PCRによって計測された平均最大TNR数は1602±1258、バリエーション数は19±15であり、両者は有意に相関していた。(R=0.84, p<0.05)。角膜内皮移植を施行した患者2例の末梢血と角膜内皮におけるTNRの最大値は、それぞれ1285、3199および26、101であった。FECD患者の末梢血においてTNR伸長が不安定であること、末梢血に比べて角膜内皮においてTNRがさらに伸長していることが示唆された。次にFECD患者におけるTNR異常伸長と角膜臨床表現型との関連を検討した。75例150眼を対象として白血球由来ゲノムDNAのTNR伸長を解析し、Scheimpflugによる角膜後方散乱値、前眼部光干渉断層計による角膜および前眼部の形態学的パラメータをTNRが50以上の異常伸長患者と50未満の患者の間で比較した。75例中16例(21%)が50以上の異常伸長を示した。性別、年齢、角膜移植歴、modified Krachmer grading、角膜後方散乱、前房形態(前房深度、隅角開大度など)は2群間に有意差は認められなかった。前房形態については、単変量混合モデルを用いても、中心角膜厚(P = 0.047)を除いて有意差は認められなかった。多変量混合モデルでは、TNR異常伸長は中心角膜厚とは有意に関連していなかった(P = 0.27)。日本人のFECD患者において、TNR異常伸長の有無による臨床表現型の差は認められなかった。
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