研究課題/領域番号 |
21K09725
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
戸田 宗豊 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任准教授 (30550727)
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研究分担者 |
山下 智子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (70470250)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 角膜内皮細胞 / 再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
我々のグループは、水泡性角膜症に対する革新的治療法として培養ヒト角膜内皮細胞注入療法を開発した。この治療法において根幹となるのは、細胞を懸濁液の状態で注入し生体内で単層を再建させる術式と注入する細胞を高品質で培養する技術である。高品質の細胞の安定生産は培養技術の改良により可能となったが、ドナー角膜による影響は未だ存在し、培養成功率に相関する遺伝的背景が存在するものと考えられる。 本研究では、培養角膜内皮細胞をバンク化し、培養環境下で高品質・安定性を維持する細胞と容易に変性(低品質化)する細胞との差異を遺伝子発現を中心に比較解析・検証し、長期予後成績に優れる移植用ヒト角膜内皮細胞選別法を確立する。
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研究成果の概要 |
研究用ドナー角膜から角膜内皮細胞を培養し、凍結保存バンクを調製した。これらの凍結細胞を起眠し、複数の培養条件下で培養して、細胞形態変化を指標に容易に相転移が誘導される群(易相転移性ロット)と誘導されない群(=健常性を維持する群、難相転移性ロット)とに選別した。両群間の比較解析を行ったところ、細胞老化や接着・細胞骨格に関わる遺伝子等、移植先微小環境における適応能を予測評価するための候補因子が複数同定された。 加えて、従来の角膜移植術後の生体内の細胞密度と移植後残部由来培養角膜内皮細胞の品質との相関分析から、培養環境下における安定性は、生体内における細胞の健常度を反映していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再生医療において、移植に供される細胞は、その安全性、有効性を担保するための厳格な品質規格が求められる。一方で、エンドポイントを超えた長期間の予後成績を左右する生体内での安定性に関しては規格化されていないのが現状である。本研究の移植先微小環境に対する適応能の予測評価法の確立に向けた研究成果は、将来的に、長期予後の改善、再手術リスク軽減など、移植を受ける患者の身体的、経済的あるいは精神的負担を大きく減ずることに結び付くと考えられる。 さらに、学術的には、培養角膜内皮細胞における相転移の難易を制御する因子の解明は、ヒト角膜内皮細胞の細胞生物学的挙動を理解するためにも極めて重要である。
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