研究課題/領域番号 |
21K09745
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
武田 篤信 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40560313)
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研究分担者 |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
長谷川 英一 九州大学, 大学病院, 助教 (70636521)
八幡 信代 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90315812)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 硝子体網膜リンパ腫 / 制御性T細胞 / 腫瘍微小環境 / B細胞型リンパ腫 / 脳腫瘍モデル / ケモカイン / 硝子体網膜悪性リンパ腫 / 骨髄由来免疫抑制細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
硝子体網膜リンパ腫(VRL)には既存の治療後早期に中枢神経系リンパ腫(CNSL)が発症あるいは再発し生命予後が不良な症例がある。 我々のVRL患者由来眼内液中サイトカイン及びケモカインなどの催炎症因子の網羅的解析により免疫抑制性の制御性T細胞(Treg)や骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)の眼内浸潤が既存の治療後早期にCNSLを発症あるいは再発する症例で強く病態に関わる可能性を見出している。VRLでは腫瘍細胞だけでなく、反応性にリンパ球が眼内に浸潤することは知られている。 しかし、腫瘍細胞の研究はされているが、反応性のリンパ球の研究はほとんどない。本研究は、①TregやMDSCの眼内浸潤、②眼内腫瘍微小環境(TME)の形成による抗腫瘍免疫抑制のメカニズムを催炎症因子の機能解析から明らかにし、既存の治療への抵抗性の獲得、または治療早期の腫瘍再発や中枢神経浸潤に対する治療などの臨床応用への道筋を付けることである。
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研究成果の概要 |
硝子体網膜リンパ腫(VRL)は中枢神経系リンパ腫(CNSL)の一亜型で予後不良である。VRLでは制御性T細胞(Treg)遊走に関与するインターロイキン(IL)-16のヒト眼内液中濃度が高く、IL-16濃度が高いと全生存率(OS)が低いため, Tregによる腫瘍微小環境形成の予後不良への関与の可能性がある。マウスCNSLモデルを用いてIL-16遺伝子欠損マウス(IL-16 KO)と対照マウス(C)のOS, 及びフローサイトメトリーでTregの脳内浸潤を比較した。OSはIL-16 KOで有意に高く, Treg浸潤が低かった。IL-16によるTreg遊走がVRLの予後不良に関与する可能性がある.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
眼科領域で最も予後不良な疾患の1つである硝子体網膜リンパ腫(VRL)の眼内液中ケモカインIL-16の測定が予後予測に使用できる可能性がある。今後B細胞リンパ腫細胞株を用いたin vitroや中枢神経系リンパ腫モデルや眼内リンパ腫モデルを用いたin vivoの機能解析の結果次第ではIL-16を標的としたVRLの治療法開発の可能性がある。また, macrophage migration inhibitory factor(MIF)がヒトVRLのOSとPFSに関連があることを見出しており, MIFのVRLにおける機能についても行う計画である。
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