研究課題/領域番号 |
21K09763
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室) (2023) 名古屋大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
大石 真由美 あいち小児保健医療総合センター(臨床研究室), 臨床研究室, 主任研究員 (00880098)
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研究分担者 |
新城 恵子 名古屋大学, 医学系研究科, 講師 (40641618)
高成 啓介 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 研究員 (80378190)
橋川 和信 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (90403237)
蛯沢 克己 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20397459)
神戸 未来 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (50597862)
樋口 慎一 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (20892392)
山本 周平 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (90908732)
亀井 譲 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (10257678)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 創傷治癒 / 瘢痕 / ケロイド / 筋線維芽細胞 / scarless wound healing / 神経線維腫症1型 / 神経線維腫症 / 線維芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は神経線維腫症1型(NF-1)の創傷治癒から瘢痕抑制のメカニズムを解明し、scarless wound healingを可能とする新規治療薬を開発することである。NF-1では手術後の瘢痕が目立ちにくく、肥厚性瘢痕やケロイドを生じにくいことが経験的に知られているが、NF-1の創傷治癒過程における過剰な瘢痕形成を抑制するメカニズムは明らかではない。現在行われている瘢痕治療の効果は限定的であり、手術や外傷後に傷あとが残ることは不可避であったが、NF-1に特有な創傷治癒メカニズムを再現することで、scarless wound healingの実現を試みる。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、NF-1における創傷治癒と瘢痕抑制のメカニズムを解明し、scarless wound healingを実現する新規治療薬を開発することである。 昨年度までの実験では、正常な皮膚線維芽細胞に対するTGFβ-1の刺激によって筋線維芽細胞マーカーであるαSMA・TAGLNやⅠ型コラーゲンを構成するCOL1A2の発現上昇が確認された。しかし、NF-1患者由来の線維芽細胞では長期継代培養が安定して成功しなかったため当初の計画通りに研究を遂行することが困難であった。 そこで、過剰な瘢痕を形成するケロイドの原因となる分子メカニズムを解明することが、scarless wound healingにも応用可能であると考え、研究の焦点をケロイドに変更した。 まず、ケロイドおよび未熟瘢痕に対して免疫組織化学的染色を行い、筋線維芽細胞の分布を調べた。次に、ケロイドおよび未熟瘢痕の組織中で筋線維芽細胞が豊富な領域からトランスクリプトーム解析を行い、発現変動遺伝子を同定した。ケロイド特異的遺伝子として同定されたKANK4を線維芽細胞に過剰発現させ、細胞遊走アッセイを実施したところ、線維芽細胞の移動が促進された。 これらの実験結果から、ケロイド組織では、高い移動能を示すKANK4陽性の筋線維芽細胞が元の創傷を越えて移動することでケロイド病変の拡大に寄与していると考えられた。KANK4はケロイド治療の新規ターゲットであると同時に、scarless wound healingの治療標的となる可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた研究計画に変更があったものの、その後の進捗は順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
モデル動物の創傷内で筋線維芽細胞の分化抑制実験を行い、scarless wound healingに有用であるかどうかを検証する。
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