研究課題/領域番号 |
21K09765
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榊原 俊介 神戸大学, 医学部附属病院, 特命講師 (50444592)
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研究分担者 |
野村 正 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (30529566)
高須 啓之 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (40566022)
寺師 浩人 神戸大学, 医学部附属病院, 教授 (80217421)
藤井 美樹 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (80444602)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 抗菌ペプチド / denensin / 創傷治癒 |
研究開始時の研究の概要 |
生体は微生物との間で抗菌ペプチド(antimicrobial peptides: 以下AMPs)を介して個体間のクロストークを行い、適切な距離を保ちながら共存している。我々ヒトでは、加齢や糖尿病、乾癬などの内因によりAMPsの発現は低下し、このことが易感染性に繋がるとされている。またAMPsは生物種の進化とともにそれぞれに環境に適した変化をしており、生物種間で抗菌スペクトラムの多様性をもつこともその特徴である。peptideゆえに遺伝子操作により細胞に発現を促すことも可能である。本研究ではこの特性を利用し、将来的な臨床使用に向けての基盤形成を目的とする。
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研究実績の概要 |
われわれは抗菌ペプチドであるdefensinに注目し、これを培養細胞において強制的に発現させることで細胞が感染への抵抗性を示すことを確認することを第一の目標とした。human defensinはアルファ型とベータ型とに分類され。さらにそのサブファミリーが存在する。これらはそれぞれに抗菌スペクトラムや発現部位が異なることが明らかとなっている。われわれはhuman beta defensin-3に注目した。本ペプチドは広い抗菌スペクトラムを持つためである。 昨年度までにhuman defensin-3の全長配列を組み込んだ発現ベクター(pBA, pBI)を作成した。これらをヒト線維芽細胞にエレクトロポーレーションにより導入し、培養上澄における発現量の変化の定量化を試みたが発現量が低く、本年度は細胞量・プラスミド量の調整を要した。その結果、線維芽細胞において安定した発現量を得ることが可能となった。次に、培養上澄中に含まれるdefensin量の変化を経時的に測定した。いまだpreriminaryなデータではあるが、導入後3日目が最も発現量が多く、約1週間でコントロールと同様の発現量まで戻った。つまり、プラスミドベクターによる影響が1週間程度で消失することが示唆された。 次に、培養上澄を採取し、これを希釈しながら大腸菌と共培養した。長時間の培養ではいずれも大腸菌は増殖したが、短時間においては、濃度依存的に大腸菌の発育を抑制する結果となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
defensinの発現が安定している。
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今後の研究の推進方策 |
defensinの経時的な発現量の変化をN数を増やしてさらに検討を行う。また、プラスミドの遺残についてPCRにより確認する。 さらに、エンドトキシンを発現しない細菌培養下でのdefensinの効果を検討する。
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