研究課題/領域番号 |
21K09769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
亀田 健治 愛媛大学, 医学系研究科, 研究員 (60363264)
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研究分担者 |
村上 正基 愛媛大学, 医学系研究科, 特任教授 (20278302)
森 秀樹 愛媛大学, 医学系研究科, 講師 (60325389)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 再生医療 / エクリン汗腺 / 三次元培養 / 三次元培養皮膚 / エクリン汗管細胞 / 皮膚再生医療 |
研究開始時の研究の概要 |
広範囲熱傷患者に対する分層植皮術を施行後、生着した植皮片に発毛が見られないこと、発汗が見られないことは医療提供者側には常識である。しかしながら患者からは、露出部において毛髪の有無に関しての苦情は少ないが、植皮部以外の残存する健常皮膚から大量に代償性発汗が生じて不快である、さらにエクリン汗には抗菌ペプチドのような重要な生体防御防御因子も含まれていることから、機能性エクリン汗腺が植皮片に含まれることは極めて望ましい。将来的に患者本人から採取したヒト角化細胞やエクリン汗腺細胞を培養し、自家移植を目指した三次元培養皮膚内に再生・機能させることができれば、次世代型の再生医療となりうると期待される。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、現在までに改良されてきた皮膚三次元培養表皮をさらに進化させ、機能性エクリン汗腺を含有する三次元培養皮膚の新規作成法を確立し、臨床応用を目指すことである。我々は、さらにエクリン汗腺の機能を有する次世代型の表皮シートあるいは自家培養皮膚の開発を目指す点において独自性・独創性がある。今回我々は、将来の基礎研究及び臨床応用に十分に貢献できる次世代型の三次元培養皮膚モデルの作製を目指すが、その結果を国内国外へ発信することで、多数の皮膚疾患患者に対する臨床応用へ発展されていくことを強く切望する。 多指症患者から得られた指尖部より、エクリン汗腺を維持中に増殖した汗管、汗腺細胞を単離培養し、含有される幹細胞の同定・単離をlabel retaining法及び免疫染色にて行う。胎性幹細胞からの角化細胞への誘導についてはFAD培地にて培養し、その後BMPとアスコルビン酸添加することによりケラチン陽性細胞を誘導、さらに角化細胞用培地に変更し角化細胞の増殖を高め、継代することにより間葉系細胞の割合を減らしていく方法で、全経過として約1ヶ月以上を要する。表皮幹細胞が存在する基底層に多いK5陽性細胞の分離条件などを参考にして細胞を単離する。分離後再増殖させた単離細胞内での多能性幹細胞(PSC)は、フローサイトメトリーによりTRA-1-60、TRA-1-81、SSEA3などのマーカーによりソーティングにて同定・回収する。免疫染色することにより増殖した細胞の性質を確認する。 エクリン汗管細胞及び腺房細胞を、オルガノイド培養法・マトリゲル培養にてスフェロイド培養を行なう。その後エクリン汗腺細胞から組織への分化誘導を行うために、ヒト角化細胞を用いた単層培養あるいは三次元培養表皮形成中にエクリン汗腺のスフェロイドを挿入し共培養を行い、正常皮膚同様に気相内での表皮内汗管形成誘導を行なう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
表皮幹細胞が存在する基底層に多いK5陽性細胞の分離条件などを参考にして、表皮幹細胞マーカーMelanoma- associated chondroitin sulfate proteoglycan (MCSP)陽性細胞を単離した。分離後、再増殖させた単離細胞内での多能性幹細胞(PSC)は、フローサイトメトリーによるTRA-1-60、TRA-1-81、SSEA3、およびSSEA4をマーカーとしたソーティングして解析した。 Organ cultureにて得られた汗管細胞・腺房細胞を其々分化誘導培地にてさらに培養を行う。角化細胞誘導培地に変更後、上皮系マーカー(ケラチンK5, K14, K1, K10等など)、汗腺系マーカー(CEA、GDCFP-15など)を免疫染色することにより増殖した細胞の性質を確認したが、今のところ特に有為な差は見られていない。 得られたエクリン汗管細胞及び腺房細胞を、オルガノイド培養法・マトリゲル培養にてスフェロイド培養をおこなた。その後発育させた未熟なエクリン汗腺細胞からエクリン汗腺組織への分化誘導を行うために、ヒト角化細胞を用いた単層培養あるいは三次元培養表皮形成中にエクリン汗腺のスフェロイドを挿入し共培養を行い、正常皮膚同様に気相内での表皮内汗管形成誘導を行う。機能マーカー(各種ケラチン(K5, K14, K1, K10等)、involucrin, loricrin, TGase1等) を免疫染色し、三次元構造形成及び分化について3Dイメージングを用いて現在確認している。
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今後の研究の推進方策 |
多指症患者から得られた指尖部より、エクリン汗腺のorgan cultureを今後継続的に行う。維持中に増殖した汗管、汗腺細胞を単離培養し、含有される幹細胞の同定・単離をlabel retaining法及び免疫染色にて行う。胎性幹細胞からの角化細胞への誘導についてはFAD培地にて培養し、その後BMPとアスコルビン酸添加することによりケラチン陽性細胞を誘導、さらに角化細胞用培地に変更し角化細胞の増殖を高め、継代することにより間葉系細胞の割合を減らしていく方法で、全経過として約1ヶ月以上を要する。表皮幹細胞が存在する基底層に多いK5陽性細胞の分離条件などを参考にして、表皮幹細胞マーカーMelanoma- associated chondroitin sulfate proteoglycan (MCSP)陽性細胞を単離する。 分離後再増殖させた単離細胞内での多能性幹細胞(PSC)は、フローサイトメトリーによるTRA-1-60、TRA-1-81、SSEA3、およびSSEA4をマーカーとしたソーティングにて同定および回収する。得られたエクリン汗管細胞及び腺房細胞を、オルガノイド培養法・マトリゲル培養にてスフェロイド培養を行う。その後発育させた未熟なエクリン汗腺細胞からエクリン汗腺組織への分化誘導を行うために、ヒト角化細胞を用いた単層培養あるいは三次元培養表皮形成中にエクリン汗腺のスフェロイドを挿入し共培養を行い、正常皮膚同様に気相内での表皮内汗管形成誘導を行う。機能マーカー(各種ケラチン(K5, K14, K1, K10等)、involucrin, loricrin, TGase1等) を免疫染色し、三次元構造形成及び分化について3Dイメージングを用いて確認する。
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