研究課題/領域番号 |
21K09775
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
松崎 恭一 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (20278013)
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研究分担者 |
難波 大輔 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (10380255)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 糖尿病 / 難治性潰瘍 / 表皮角化細胞 / 幹細胞 / XVII型コラーゲン |
研究開始時の研究の概要 |
幹細胞の機能低下は、幹細胞自身が原因である内因性の要因と、幹細胞が外部の影響によって変化する外因性の要因によって生じる。最近、研究代表者らは糖尿病性足潰瘍と体幹部の表皮角化幹細胞を単離し、培養実験を行った結果、両者の増殖能に有意差が見られないことを明らかにした。そこで本研究では、表皮角化幹細胞の機能維持に関与する外部環境の変化が、創傷治癒不全に関与していないかを明らかにする。具体的には、表皮角化幹細胞の機能維持に必須であるXVII型コラーゲンの発現、XVII型コラーゲンの分解酵素とその内在性阻害分子の発現、さらに培養ヒト表皮角化幹細胞を用いてその機能解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究から、糖尿病性足潰瘍では表皮角化幹細胞の遊走能が低下していることが明らかになった。さらに、培養ヒト表皮角化幹細胞培養系を用いた研究から、表皮角化幹細胞の遊走能の維持には、EGF受容体活性化によるTIMP-1の発現上昇と、それによるXVII型コラーゲンタンパク質の安定化が必須であることを見出した。以上の結果から、糖尿病性足潰瘍発症の一因は、EGF受容体シグナルの低下によるTIMP-1の発現低下およびXVII型コラーゲン分解による表皮角化幹細胞の遊走能の減弱であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
EGF受容体シグナルの活性化によってヒト表皮角化幹細胞周辺のタンパク質分解酵素の活性が低下し、その結果、表皮角化幹細胞の機能が維持されることが明らかとなった。この結果は、学術的にはヒト表皮角化幹細胞ニッチの条件を明らかにしたものである。この条件を制御することで糖尿病性足潰瘍の治療法開発につながる可能性があり、本研究は大きな社会的意義を持つ。
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