研究課題/領域番号 |
21K09779
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
村上 史浩 東京医科大学, 医学部, 客員研究員 (40866662)
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研究分担者 |
善本 隆之 東京医科大学, 医学部, 教授 (80202406)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 乳歯歯髄幹細胞 / 細胞培養上清 / 不死化幹細胞 / 褥瘡モデルマウス / 不死化 / 歯髄幹細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞の培養上清を用いた治療応用は、HLAを考慮する必要がなく、安全性も高いため注目されているが、その中の各種液性因子の濃度が十分でない場合や安定性や再現性の問題が指摘されている。そこで、応募者らは、ヒト乳歯由来歯髄幹細胞に不死化遺伝子を導入し、安定的に高い増殖性を示す不死化歯髄幹細胞を作製し、この細胞は、プライマリー細胞に比べ、より多くのサイトカインを安定的に産生することを見いだした。そこで、本研究では、この不死化歯髄幹細胞培養上清の基礎的解析と褥瘡モデルマウスを用いた治療応用の可能性、さらに、その分子機序として血管障害の軽減や活性酸素種産生抑制などの効果について明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、製剤化を目指し、不死化したヒト乳歯歯髄幹細胞を作製し、その培養上清(SHED-CM)の生化学的解析と褥瘡モデルマウスを用いた潰瘍形成抑制効果について検討した。不死化SHEDは、増殖性とサイトカイン産生能が高かった。その不死化SHED-CMを、2つの磁石で背部皮膚を挟み誘導する虚血再灌流障害により発症する褥瘡の潰瘍形成モデルマウスに皮内投与すると、潰瘍形成が抑制された。その作用機序として、抗体を用いた免疫除去や細胞培養系を用いた検討より、SHED-CM中の肝細胞増殖因子や血管内皮細胞増殖因子による血管新生の促進や活性酸素種の産生阻害作用が関与していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近、間葉系幹細胞(MSC)の培養上清(CM)の投与が、細胞フリー療法として、拒絶反応の可能性を懸念することなく、治療効果や安全性も高いため注目されている。そこで、CMの製剤化を考えた場合、無限に安定的に増え同一性の高いCMの調製を可能とする不死化MSCを作製し、それをCMの供給源とすることが一番良いと考えた。高齢化が加速する今日の日本において、褥瘡、いわゆる床すれは、寝たきりの高齢者にはその対応が必須ではあるが、その根本的な治療法や予防法は今のところ存在しない。本研究成果は、この褥瘡などの潰瘍形成に対して、不死化した乳歯歯髄幹細胞のCMの医薬品としての有効性を示唆するものである。
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