研究課題/領域番号 |
21K09780
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
佐久間 恒 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80317172)
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研究分担者 |
矢澤 真樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (60327567)
三木 則尚 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70383982)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 顔面神経電位計測・刺激システム / 顔面神経麻痺 / 神経刺激電極 / 病的共同運動 / 神経電気刺激デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
高度顔面神経麻痺の回復過程においてしばしば起こる病的共同運動(複数の表情筋が同時に収縮する)は著しくQOLを低下させる病態であるものの、有効な治療法がないのが現状である。本研究では、ラットの病的共同運動モデルを用いて、高頻度交流電気刺激デバイスにより神経ブロックを行うことで病的共同運動を長期的に抑制しつつ、同時に、顔面神経損傷部より遠位に巻き付けたカフ電極刺激により表情筋が病的共同運動なく収縮するか否かを検証する。
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研究実績の概要 |
1.前年度までは覚醒ラットの顔面神経電位の継続的計測のため、計測電位の増幅回路の作製および計測用ケーブルを収納するための頭部固定具(クラウン)を作製し、ラット顔面神経の活動電位の計測を試みたが、活動時のノイズと微弱な活動電位により継続的な神経電位の計測が困難であった。そこで、今年度は顔面神経の代わりにラット坐骨神経を対象として、内径2.5mmのカフ電極を巻きつけ、既製品である増幅器(AM Systems Model 1700 Differential AC Amplifier)を使用して神経電位の計測を試みることとした。実験では、まず麻酔下にてラット坐骨神経に1つの刺激用カフ電極を巻きつけ、増幅器とのコンビネーションの評価を行った。次に片側坐骨神経に刺激用と計測用の2つのカフ電極を同時に巻きつけ、刺激電極からの信号を計測電極で計測可能かどうか検証した。双方ともノイズと区別して神経電位の計測が可能であった。さらに、麻酔下でラット坐骨神経にカフ電極を巻きつけたのち埋入し、覚醒した状態で自発脚運動下で埋入カフ電極が坐骨神経から神経電位を感知できるか検証したところ、増幅器の併用によりノイズと区別された神経電位の継続的計測が可能となった。2.顔面神経麻痺の臨床において、後遺症である病的共同運動および顔面拘縮に対する選択的顔面神経切断術や陳旧性顔面神経麻痺による廃用性表情筋委縮に対する外科的治療である神経2重支配薄層前鋸筋移植による笑いの再建について3つの関連学会において発表を行い、1編の論文作成を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究において基本となる神経刺激用・神経計測用カフ電極および増幅器の選定が可能となったが、顔面神経への応用がまだ行えていないため。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の研究で、覚醒時のラット坐骨神経電位の継続的計測が可能となったため、来年度は、これを顔面神経にも応用し、設計した神経電位計測・神経刺激用カフ電極を使用して、提案する治療法の基礎技術となる、神経活動電位の計測、神経の刺激、高周波交流電流 (HFAC)を用いた神経のブロック技術を確立すべくラットを用いた以下の実験を順次行っていく。①健側顔面神経からの神経活動電位計測、②計測した神経活動 電位を用いた患側顔面神経刺激、③神経移植により顔面神経に接続した舌下神経刺激④高周波交流電流による舌下神経のブロック。
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