研究課題/領域番号 |
21K09784
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
藥師寺 那由他 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (70565316)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | エピジェネティクス / 四肢形成 / 合指症 / ポリコム複合体 / CtBP1/2 / レチノイン酸シグナル / 1細胞解析 / 胚様体 / 1細胞 / クロマチン制御 / 遺伝子制御ネットワーク / CUT&Tag |
研究開始時の研究の概要 |
クロマチン抑制因子ポリコム複合体の共役因子として知られるCtBPを欠損したマウスは、先天性四肢障害である合指症に非常によく似た表現型を示す。これまでにCtbp欠損型の肢芽において、発現変化を示す遺伝子群を網羅的に明らかにした。しかし、それらの遺伝子間でどのような相互作用が形成されているのか、そしてその相互作用の破綻がどのように変換されて指骨の癒合を引き起こすのかは一切不明である。そこで本研究では、四肢形成過程においてCtBPが司る遺伝子発現ネットワークを1細胞レベルで解明する。これにより、CtBPの機能喪失から合指症発症に至る機序を理解し、治療標的を同定することを目指す
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研究成果の概要 |
共役抑制因子として知られるCtBP1/2を肢芽特異的に欠損したマウスは合指症に非常によく似た表現型を示すが、どのような遺伝子ネットワークの破綻が原因となっているのかは不明のままであった。1細胞多層解析の実施により、Ctbp1/2欠損型の肢芽ではAldh1a2遺伝子の発現が有意に減少していたことから、指間細胞死を制御するレチノイン酸シグナルが不足していることが明らかとなった。そこで母獣を通して胎仔へレチノイン酸を投与したところ、指先での癒合の部分的な緩和が認められた。また、Aldh1a2の発現誘導にはHOX13が必要であるが、CtBP1/2はHOX13の下流で作用することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
合指症は生まれつき隣り合った指が癒合した状態であり、外科手術による治療が一般的である。Hoxd13の変異が発症原因として知られているタイプもあるが、多くのタイプでは原因がよくわかっていないのが現状である。本研究成果から、Aldh1a2遺伝子の発現低下に起因する指間細胞死の誘導不全が合指症の原因の一つとなりうることが示された。これにより、胎仔期のレチノイン酸投与による療法だけでなく、局所的に細胞死を誘導することができれば、新しい治療法の開発に繋がると期待できる。
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