研究課題/領域番号 |
21K09800
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
竹丸 雅志 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80748749)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 血管新生 / 創傷治癒 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
怪我ややけどによる皮膚損傷後に見られる瘢痕は、直接命に関わるものではないが、現代医学、特に皮膚科・形成外科領域における重要な問題である。胎生期の創傷治癒における無瘢痕性創傷治癒のメカニズムを解明することができれば、著しい瘢痕を伴う現行の創傷治療を革新的に改善できると考える。本研究では、イモリの再生肢やゼブラフィッシュの再生尾において、血管新生が重要な役割を果たすという知見にヒントを得て、マウス胎仔無瘢痕性創傷治癒プロセスの血管新生に着目し、その三次元構造と制御因子の時空間的分布、その機能を明らかにすることによって、創傷治療における次世代の分子標的を開拓することを目的とする。
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研究成果の概要 |
ヒトやマウスは胎生中期までは皮膚損傷後の再生が可能であるが、そのメカニズムは不明である。皮膚の再生と血管新生との関連をしらべるために本研究を行った。胎仔手術によりマウス胎仔皮膚に創傷を作成して観察したところ、再生が可能な胎生13日目の創部では創内への血管新生が認められるが、胎生14日目以降では認められないことが分かった。マウス体幹部皮膚の生理的な血管新生を調べたところ、血管が形成される時期と皮膚再生が可能な時期が重なっていることが分かった。シングルセル解析の血管からも、胎生13日目までの時期は血管内皮細胞が未熟な分化段階にある可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷や手術による傷あとが残存しないようにするという医学的技術は現在確立されておらず、見た目の醜状や疼痛・痒みなどの自覚症状を伴い大きな課題となっている。胎生期に皮膚の再生が可能なメカニズムが分かれば、それを出生後の創傷治癒に応用することで、再生に近づけることができると考えられる。本研究によって、血管新生が皮膚の再生と密接に関連するものと考えられた。血管内皮の分化段階を調節することにより創傷治癒を最適化するという治療戦略を立てることができ、今後の研究の糸口になると思われる。
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