研究課題/領域番号 |
21K09802
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56070:形成外科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
水野 博司 順天堂大学, 医学部, 教授 (80343606)
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研究分担者 |
小出 寛 順天堂大学, 大学院医学研究科, 特任教授 (70260536)
松井 千裕 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (80815019)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | bFGF / PRP / 脂肪再生 / 美容医療 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今特に美容医療領域において未だ論争が続いている問題、すなわち自家多血小板血漿に塩基性線維芽細胞増殖因子を混入させたものを皮下に投与することで皮下脂肪の再生を介した組織増大を促すといった現象が果たして真実なのか、またそもそもそうでないとすれば組織増大現象の本質は何か、そしてその治療方法は安全なものなのかどうかについて動物実験を実施し、当該治療法が妥当な再生医療と言えるのかどうかについて検証する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)添加自家多血小板血漿(PRP)の皮下投与により、組織の陥凹変形が改善されるのか、また充填されたものは結果として本当に再生された脂肪組織なのかどうか、そして美容目的とした眼瞼陥凹修正に対する治療手段として安全といえるのかどうかを動物モデルを用いて検証することである。 令和3年度に順天堂大学動物実験倫理委員会の承認を取得(承認番号:1545号および1566号)に加え、令和4年度にはヒト脂肪組織および末梢血を検体として研究に提供するための、順天堂大学医学部倫理委員会の承認も取得(実施許可番号:E22-0065)した。前年度より引き続いて先行研究として始めていたICRマウス鼠径部皮下脂肪塊の形状や大きさを確認し、その結果をもとにしてどの程度の量のPRPやbFGFを投与することが妥当かについて検証を重ね動物モデルの再現性を確認した。これらの検証を元に6週齢雌BALB/cヌードマウス両側背部にヒト皮膚皮下脂肪組織近似モデルを作成し、作成後4週目にbFGF添加PRP群、PRP単独投与群、bFGF単独投与群、コントロール群に分類し、移植脂肪の肉眼的評価などの検証は終えた。現在、組織学的検査としてH-E染色による脂肪生着率の評価、AZAN染色による移植脂肪の線維化評価、および免疫染色として抗perilipin抗体を用いた生存脂肪細胞の評価、抗CD31抗体を用いた新生血管数の評価、さらに脂肪細胞の分化過程に発現するペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γ(PPARγ)を定量評価し、各群における脂肪組織への影響を組織学的・免疫組織学的に検証を行い、bFGF添加PRP群においては他群と比較しPPARγが多く発現しており脂肪分化を促進した可能性が考えられた。果たしてこの変化が脂肪組織再生として矛盾していないか現在検証を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2022年度に順天堂大学動物実験倫理委員会(承認番号:1566号)、順天堂大学医学部倫理委員会(実施許可番号:E22-0065)の承認を取得し、本研究を開始した。現在、脂肪組織への影響を組織学的検査および免疫組織学的検査を実施し検証している段階である。2023年度にはbFGF添加PRPが脂肪組織に及ぼす影響、さらにはbFGFの濃度を調整し濃度依存的に脂肪組織にどのような影響を及ぼすか検証できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度が研究最終年度であることを踏まえ、bFGFの投与量の違いによる影響などを追加実験として計画している。そして得られた研究結果を臨床上の問題点にフィードバックして、何らかの提言をしたいと考えている。
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