研究課題/領域番号 |
21K09813
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中村 卓史 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (90585324)
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研究分担者 |
中村 はな 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (30385827)
若森 実 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50222401)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | エピプロフィン / 器官形成 / がん細胞 / 歯原性上皮 / 上皮間葉転換 / 神経制御 / 転移 / 歯原性上皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、器官形成期に一部の細胞集団が一塊となり細胞遊走能を獲得し間葉組織へと陥入し器官原器を形成する機構の解明のみならず、1つの歯堤から複数の歯胚や後続永久歯胚の形成機構、毛包器官のself-renewing機構の解明の一助になる。また、がん細胞がEMT状態へ移行し、細胞遊走能を活性化しそして転移する新たなメカニズムの解明にもつながるのではないかと考えている。また、本研究は転移しないがん細胞への形質転換治療という新たな治療法や器官原器数を増やす器官再生技術の開発を目指し、Epfnの発現制御に関わる小分子化合物をリード化合物として誘導体を合成し、新規物質の創製などへの研究の発展性もある。
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研究実績の概要 |
本研究は、器官形成期に一部の細胞集団が一塊となり細胞遊走能を獲得し間葉組織へと陥入し器官原器を形成する機構の解明のみならず、1つの歯堤から複数の 歯胚や後続永久歯胚の形成機構、毛包器官のself-renewing機構の解明の一助になる。また、がん細胞がEMT状態へ移行し、細胞遊走能を活性化しそして転移する 新たなメカニズムの解明にもつながるのではないかと考えている。また、本研究は転移しないがん細胞への形質転換治療という新たな治療法や器官原器数を増や す器官再生技術の開発を目指し、Epfnの発現制御に関わる小分子化合物をリード化合物として誘導体を合成し、新規物質の創製などへの研究の発展性もある。上皮細胞が移動能を有する間葉細胞に転換する上皮間葉転換(Epithelial to mesenchymal transition; EMT)は、胚の初期発生や器官形成に重要である。この現 象は発生時のみならず、創傷治癒、腫瘍細胞の転移などでも起こり、EMTに関連する蛋白は、がんのバイオマーカーにも使われている。転写因子エピプロフィン (Epfn)発現が欠失した上皮および歯原性上皮細胞は、細胞移動能が亢進し間葉への上皮陥入が継続する。つまりEpfnはEMTを負に制御していることが示唆される。以上のことから本研究では細胞遊走・移動におけるEpfnの役割解明を目的とする。さらにEpfn発現を人為的に操作し上皮細胞の遊走を制御することにより、 新たながん治療法や器官原器複製による再生技術の開発基盤となる知見獲得を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯胚の器官培養を用いてエピプロフィンの発現局在制御が歯原性上皮の陥入を制御している。上皮細胞内に発現しているエピプロフィンは増殖と細胞遊走を制御し、その一方で核内に発現するエピプロフィンは細胞遊走能を低下、Eカドヘリンを発現し上皮塊を形成することが明らかとなった。器官発生期とがん細胞でのエピプロフィン発現・局在制御の共通性を検討するため、各種がん細胞の遺伝子プロファイルデータベースを入手し解析した。その結果、乳がん細胞だけでなく、胃がん、膀胱がん細胞においてもエピプロフィン発現変化とEカドヘリン発現の類似性が認められた。発現量が制御できるエピプロフィン発現ベクターmultiCMV発現ベクターを構築できたため、これらを用いてがん細胞に発現するエピプロフィンの細胞内局在変化と発現量の制御機構を乳がん細胞と膀胱がん細胞を用いて検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
上皮系から間葉系の細胞表現型である細胞遊走を獲得転換する時には、エピプロフィンの発現が低下し核内局在率が低下することが明らかとなった。 そのため、本年度は乳がん細胞と膀胱がん細胞を用いTGFβや性ホルモンが、エピプロフィンの発現制御と細胞内局在の制御機構を明らかにしていく研究を組み立てていく。また、人為的に上皮間葉転換をコントロールするためには、エピプロフィンを誘導するリード化合物が必要である。TGFβや性ホルモンが存在している状態であっても、遊走亢進など上皮間葉転換の細胞表現型変化に関わる分子群の発現を抑えることが出来る化合物の同定を進め、細胞実験での検証後、マウスの癌転移実験に移行していく予定である。さらにEMT制御におけるEpfnとWntおよびTGF-bシグナルとの関連 Epfn-KOマウス上皮器官でのEMT関連分子の解析では、野生型あるいはEpfn-KOマウスから発生歯胚や毛包組織におけるEMT関連分子の遺伝子発現、タンパク発現、タンパク局在の違いを検討し、Epfnとの関連を検討する。野生型あるいはEpfn-KOマウスから 発生歯胚や毛包組織におけるWntおよびTGF-bシグナル関連分子の遺伝子発現、タンパク発現、タンパク局在の違いを検討し、Epfnとの関連を検討し、歯原性上皮細胞、ケラチノサイト細胞、各種がん細胞株にEpfn過剰発現、EpfnノックダウンshRNAウイルスベクターを導入し、EMT分子群の発現解析とWntおよびTGF-bシグナル経路解析をウエスタンブロッティング法で確認し、同培養系にWnt、TGF-b、主な細胞内シグナル作動薬、阻害薬を用いEpfnによるEMT制御機構の解明を目指す。
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