研究課題/領域番号 |
21K09815
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
服部 高子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (00228488)
|
研究分担者 |
久保田 聡 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (90221936)
西田 崇 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (30322233)
高江洲 かずみ (河田かずみ) 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10457228)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 変形性股関節症 / RNA-Seq / CCN3 / 軟骨組織 / 初代股関節培養細胞 / Mankin Score / CCN3トランスジェニックマウス / aggrecan neo-epitope / メカニカルストレス / CCN family member 3 / 加齢 / 老化 / SASP / 細胞周期停止因子 / p21プロモータ活性 / 変形性関節症 / CCN3tgマウス / CCN3/NOV / 細胞周期 / 軟骨 |
研究開始時の研究の概要 |
変形性関節症の発症機構には軟骨組織における細胞老化の関与が知られている一方で、軟骨細胞の「老化を制御」する分子機構は全く明らかでない。申請者らは、軟骨組織の発生・分化・再生過程における多様な生理機能を持つCellular Communication Network Factor(CCN)ファミリー遺伝子のうち、CCN3について①CCN3は軟骨細胞老化マーカーである、②CCN3は不可逆的な細胞周期の停止を誘導する、軟骨細胞老化促進因子であるとの知見を得た。さらに我々は本研究で加齢におけるCCN3の誘導機構、また、CCN3による細胞周期停止機構を明らかにすることで、関節軟骨の老化機構の解明、さらに老化を制御することを試み、健康寿命の延伸への応用を目指す。
|
研究実績の概要 |
変形性関節症(OA)の発症機構を解明する目的で、以下の結果を得た。 ①OAによる人工関節置換手術(OA群)と大腿骨頭骨折(正常群)によって得られた患者由来の大腿骨頭軟骨組織から初代培養軟骨細胞を調製し、回収した16サンプルのRNAを用いてRNA-seqを行い、遺伝子の網羅的発現解析を行った。昨年度までの実績で荷重の有無と遺伝子発現に有意な差が観察されなかったことから、荷重の有無は考慮されなかった。Differentially Expressed Genes (DEGs) 解析より262 の遺伝子の発現の違いが観察され、67遺伝子がOA群で有意に発現上昇しており、195遺伝子がOA群で発現低下していた。Over Representation Test では、「ossification」や「regulation of cellular component size」に区分される 遺伝子群がOA群で発現上昇しており、一方で「response to peptide hormone」や「response to lipopolysaccharide」遺伝子群がOA群で発現低下していた。 ②これらの結果をもとに幾つかの遺伝子について定量RT-PCRによって遺伝子発現の変化を確認した。 ③患者組織標本を用いた免疫染色で、軟骨組織の染色、OA群と正常群との染色性の違いを確認した。 ④マウスOAモデルを作製し、継時的にOAが形成されることをμCTおよび組織化学的解析によって確認し、また、軟骨組織より直接RNAを回収し、遺伝子発現の変化が再現されることを確認した。 以上の結果を国際科学情報誌に投稿するための準備を現在行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度はRNA-seqによる網羅的遺伝子発現を行うことを当初から計画しており、順調に解析が進んでいることから「おおむね順調に進展している」とした。現在論文投稿のための準備中ではあるが、本研究課題の期間を超えての投稿になるため、「おおむね順調」と判断した。論文投稿のための経費を次年度に使用するため、経費を繰り越した。
|
今後の研究の推進方策 |
先に記述した通り、現在成果をまとめ、国際情報誌に発信する予定である。
|