研究課題/領域番号 |
21K09825
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
笹野 泰之 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30196191)
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研究分担者 |
Yang MuChen 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50886447)
鈴木 治 東北大学, 歯学研究科, 教授 (60374948)
矢尾 育子 関西学院大学, 生命環境学部, 教授 (60399681)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MMP-2欠損マウス / 分析走査電子顕微鏡 / マイクロX線CT / 骨 / 石灰化 / 規格化骨欠損 / 質量顕微鏡 |
研究開始時の研究の概要 |
骨の発生過程で、MMP-2による基質タンパクの分解は石灰化、すなわちミネラル結晶の沈着と成長を進行させ、骨基質を成熟させる。一方、骨の再生過程については知見が乏しい。本研究では、MMP-2欠損マウスを用いて、再生骨のタンパク構成すなわちプロテオームを質量顕微鏡で、ミネラル構成すなわちミネラロームを分析走査電子顕微鏡で、それぞれ可視化し、MMP-2欠損マウスと野生型マウスにおける再生骨の石灰化と成熟を検討することを目的とする。この際、MMP-2欠損マウスの再生骨で分解されずに残存し、野生型マウスで分解される基質タンパクを画像上で選択して同定し、石灰化における基質タンパクの役割を解析する。
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研究実績の概要 |
研究代表者等の研究グループで繁殖をしているMMP-2欠損マウス(GelA KO)を研究に利用した。修復骨(再生骨)の研究に用いる週齢を検討するため、若齢マウス(7週齢)と高齢マウス(25週齢)との間で、骨のミネラル構成(ミネラローム)をマイクロX線CTと分析走査電子顕微鏡で検討する実験を開始した。生後7週齢および25週齢のMMP-2欠損マウスおよび野生型のマウスをそれぞれ11匹、計44匹について、全身麻酔下に下肢骨、頭蓋骨、上下顎骨を4%パラホルムアルデヒド、2%グルタールアルデヒド-2%グルタールアルデヒドまたは95%エチルアルコールで固定した。繁殖期間も含め、全試料の採取に平成2年度の1年間を要した。
令和3年度は、固定した下肢骨(脛骨)の試料について、マイクロX線CTと分析走査電子顕微鏡を用いたエネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)による元素分析で検討した。一部の試料は10%EDTAで脱灰し、パラフィン包埋試料とし、パラフィン切片はヘマトキシリンーエオジンで染色した。生後7週齢の試料で、マイクロX線CT解析の結果、MMP-2欠損マウスの脛骨皮質骨の骨密度は野生型に比較して低い傾向が見られた。SEM-EDXでは、脛骨皮質骨におけるカルシウム、リン、炭素の元素の分布と濃度を解析したが、MMP-2欠損マウスと野生型の間で大きな違いは認められなかった。組織学的検討では、MMP-2欠損マウスで皮質骨が薄く、また、骨髄腔に面する骨面の凹凸が顕著であった。また、MMP-2欠損マウスでは成長板軟骨が厚く、一方で成長板の軟骨細胞の密度が低い傾向が見られた。また、令和3年度は、生後25週齢の脛骨についても同様の解析を始めた。現時点で、マイクロX線CTによる解析の結果、MMP-2欠損マウスの脛骨皮質骨の骨密度が野生型に比較して明らかに低いことが認められている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
引き続く新型コロナウィルス感染による影響で、研究活動が制限されたため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度では、生後25週齢マウスの脛骨を試料として、マイクロX線CT、エネルギー分散型X線分析(SEM-EDX)、X線回折(XRD)、赤外分光法(FT-IR)等を用いて、皮質骨のミネラル結晶の密度、組成、結晶構造等を解析し、石灰化の表現型をMMP-2欠損マウスと野生型マウスとの間で比較検討する。
さらに一部の固定試料を10%EDTAで脱灰して包埋試料とし、アルシアン・ブルーや免疫染色を用いてプロテオグリカンを中心として細胞外マトリックスの特徴を検討する。また、MMP-2欠損マウスの頭頂骨への規格化骨欠損作製と質量顕微鏡によるプロテオーム解析の方法論を検討する。
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