研究課題/領域番号 |
21K09829
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57010:常態系口腔科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松口 徹也 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (10303629)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 肥満 / メタボリックシンドローム / 脂肪細胞 / 骨芽細胞 / 間葉系幹細胞 / JNK / DUSP16 / EGR1 / 細胞内シグナル伝達 / 糖質代謝 / 糖尿病 / 肥満症 / 脱リン酸化酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
肥満に伴う全身組織での慢性炎症が、糖尿病、心血管障害、脂肪肝、がんなどの発症の原因となることが明らかになってきた。申請者らは周囲のグルコース濃度によってJNKの特異的調節蛋白であるDUSP16の細胞内発現レベルが変化することを見いだしており、本提案ではこれが新たな肥満における炎症発症機構として働く可能性を検証する。肥満に合併する糖尿病などの疾患のより効率的な予防・治療法の開発に繋がることが期待される。
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研究成果の概要 |
肥満に伴う慢性炎症が糖尿病やがんなどの病因として注目されている。DUSP16は肥満と慢性炎症のリンクの鍵分子として注目されているJNKの特異的活性抑制タンパクである。本研究で、DUSP16が細胞外グルコース濃度によって発現レベルが上昇し、GLUT4の発現誘導に重要な役割を果たす「エネルギーセンサー」としての働きをもつことが示された。またDUSP16は、間葉系幹細胞の脂肪分化で発現が上昇し、脂肪細胞分化の正の制御因子として働くことが明らかになった。本研究によって、糖質・脂質代謝と慢性炎症を繋ぐ因子としてのDUSP16の可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満は世界的な健康問題となっており、肥満に伴う慢性炎症が、Ⅱ型糖尿病、心血管障害、脂肪肝、一部のがんなどの発症と密接に関連する。近年の研究で、炎症性キナーゼであるJNKが肥満に伴う組織慢性炎症に必須な分子として同定され、その活性を抑制することで各種合併症を予防できることが期待される。本研究は、JNKの特異的活性抑制タンパクであるDUSP16の糖質代謝と脂肪細胞分化の制御における役割を明らかにした。肥満に伴う各種合併症の発症にDUSP16の活性異常が関わる可能性がある。
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