研究課題/領域番号 |
21K09852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
熊本 裕行 東北大学, 歯学研究科, 教授 (70215028)
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研究分担者 |
齋藤 悠 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00824450)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 歯原性腫瘍 / 腫瘍発生 / 細胞分化 / 幹細胞 / 細胞老化 / 種原性腫瘍 / 骨内進展 |
研究開始時の研究の概要 |
歯原性上皮は本来歯の発生に関わる組織であるが、嚢胞や腫瘍への病的変化も稀ではない。これらの病的変化を起こす要因として、細胞死関連因子、細胞周期制御因子、細胞増殖因子、歯の発生制御因子、硬組織関連蛋白など様々な分子や遺伝子の変化が解明されつつあるが、病理発生や病態進展に関わる詳細なメカニズムはあきらかではない。本研究では、歯原性上皮由来の腫瘍細胞における細胞特異的分化または未分化状態および細胞老化に関わる因子について検索し、これらの細胞が骨内微小環境との相互作用によって受ける影響を包括的に解析し、これらの因子が歯原性上皮の病的変化や病態に及ぼす影響について検討する。
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研究実績の概要 |
骨内微小環境下における歯原性上皮の腫瘍発生や進展の指標となると考えられる、上皮幹細胞関連分子について免疫組織化学的に検索した。LGR5およびそのホモログLGR4, 6は、Wnt/βカテニン シグナル伝達経路に作用し、上皮幹細胞性格を反映することが知られている。
1. 方法:エナメル上皮腫(濾胞型、叢状型)と対照の歯嚢(歯堤上皮)を用い、LGR4, 5, 6の発現・局在について、免疫組織化学により解析した。 2. 結果:LGR4の歯原性上皮での発現・局在については、現在のところ、再現性のある明確な結果を得られていない。LGR%5, 6は、正常および腫瘍性の歯原性上皮細胞の細胞質に発現がみられた。これらの発現は、歯堤上皮に比べてエナメル上皮腫で高かった。エナメル上皮腫でのLGR5の発現は、主に腫瘍胞巣辺縁部の細胞に認められ、LGR6の発現は、多くの腫瘍細胞にみられた。LGR5, 6ともに、濾胞型と叢状型での発現に、あきらかな差異はみられなかった。 3. 考察:上皮幹細胞関連分子LGR5, 6の発現が歯原性上皮で確認でき、骨内微小環境における歯原性上皮細胞における幹細胞性格が維持されていることが示唆された。これらの分子の発現は正常組織に比べ腫瘍組織で高く、病変における細胞動態の活性化の可能性が示唆され、歯原性上皮の腫瘍発生・骨内進展に関わる可能性が示された。今後さらに、これらの組織における幹細胞関連分子の状況についての検討を行いたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究分担者の異動により、本年度に予定していた内容よりは遅れが生じた。しかし、骨内微小環境における歯原性上皮の腫瘍発生・進展に影響を及ぼすと考えられる因子を検索することができ、これらにより上皮幹細胞性格の状況が、歯原性上皮由来病変の病態に関わる可能性が示唆され、興味深い結果と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
骨内微小環境での歯原性腫瘍の分化または増殖に影響を与えると考えられる上皮幹細胞関連分子5, 6についてより詳細な検索を進めると同時に、細胞老化関連分子のSIRTsや特異的分化因子のEpiprofin・AmeloDについて、免疫組織化学を主とした検索を進め、ウエスタンブロット法やRT-PCR法での確認も考えている。腫瘍間質に関しては、vimentinおよびα-smooth muscle actinに対する抗体を用いて免疫染色を行い、筋線維芽細胞を同定しその局在および程度について、また、CD68, CD163, CD204に対する抗体を用いて免疫染色を行い、M1・M2マクロファージの同定を行いその局在や比率について検討している。また、腫瘍発生や腫瘍細胞分化に関わる分子のターゲットシークエンスによる網羅的解析についても検討を進めている。これらにより、上皮性歯原性腫瘍の骨内微小環境との相互作用と分化・増殖の関連について解析を進める。
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