研究課題/領域番号 |
21K09854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
栢森 高 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10569841)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 癌関連線維芽細胞 / 口腔扁平上皮癌 / WNTリガンド / プロテオーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、癌細胞周囲に誘導さる癌関連線維芽細胞(CAF)との相互作用が腫瘍の進展に大きな役割を果たしているのが明らかとなってきている。一方、細胞内で発現するタンパク質を網羅的に解析するプロテオミクスは癌研究においても治療標的や特異的バイオマーカー探索の有力な手段となっている。本研究では、口腔癌細胞がCAFとの相互作用で獲得する特異的なシグナルカスケードを、ヒト口腔癌病理組織片を用いたプロテオーム解析により検証する。抽出したカスケードを特異的に阻害する薬剤を見出し、口腔癌進展の分子機序の解明、およびそれに基づいた分子標的薬による新たな口腔癌治療法を構築する。
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研究実績の概要 |
7つのヒト口腔癌細胞株とヒト皮膚線維芽細胞(NHDF)をtranswellを介して共培養した結果、NHDFと共培養した口腔癌細胞株4つにおいて、WNT7Aの発現が有意に上昇するのが認められた(特に発現上昇はHO-1-N-1およびHSC-5で強く認められた)。siRNAを用いて癌細胞のWNT7A発現をノックダウンした結果、NHDF共培養により促進されるHO-1-N-1、HSC-5の運動能力および浸潤能力は有意に抑制された。また、ヒト口腔扁平上皮癌手術材料122例を用いた免疫組織化学的検討では、癌細胞におけるWNT7A発現と浸潤深さとの間に有意な相関が認められた。また、癌細胞におけるWNT7A発現の強さと癌胞巣周囲に誘導されるalpha-SMA陽性の癌関連線維芽細胞(以下、CAF)との間にも正の相関が認められた。次にWNT7Aによる口腔癌制御機構に関わる因子を探索するためにマイクロアレイにてNHDFと共培養したHSC-5で発現が変動している遺伝子を抽出した。そして抽出した遺伝子を、過去の研究論文(Cell, 2017, 171(7):1611-1624)で頭頸部扁平上皮癌のシングルセルRNAシーケンスにて解析・報告されたpartial-EMTおよび上皮分化に関連した遺伝子群と照らし合わせた結果、いくつかの候補因子が得られた。その中でもCLDN1の発現がリコンビナントヒトWNT7A添加によって有意に抑制されることを見出した。更に、siRNAによりHO-1-N-1とHSC-5のCLDN1発現を抑制すると、癌細胞の運動能力が有意に促進されること、WNT7AによるCLDN1発現抑制はAKTのリン酸化を介していることもウェスタンブロットによって示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度は特に培養細胞を用いたin vitroでの解析と、ヒト口腔癌手術材料での免疫組織化学的検討に焦点を置いたため、LC-MS/MSによる質量分析解析が、当初の予定よりやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト口腔癌病理標本を用いたCAF陽性群、陰性群でのLC-MS/MSによる質量分析も並行して行っていき、特にWNTに関連した因子やCLDN1などの変動を解析し、培養細胞を用いたin vitroの系で得られた結果との整合性を検証していく。
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