研究課題/領域番号 |
21K09859
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
新垣 理恵子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (00193061)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | シェーグレン症候群 / 自然リンパ球 / ナチュラルキラー細胞 / 自己免疫疾患 / NK細胞 / 女性ホルモン依存性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、シェーグレン症候群(SS)の標的臓器である唾液腺に存在する自然免疫を担う自然リンパ球(ILCs)に着目し、ILCsの疾患の発症・進行への関与を検討する。さらにI型自然リンパ球に分類されるNatural Killer細胞数は、男性よりも女性に多く、エストロゲン依存性の細胞である。多くの自己免疫疾患は女性優位に発症し、特にSSは女性優位に発症する。自然リンパ球の自己免疫疾患発症への関与を分子レベルで解明し、さらに性ホルモンが自然免疫と獲得免疫のクロストークに与える影響を明らかにすることにより、自己免疫疾患と女性のライフステージに合わせた新たな治療戦略開発をめざす。
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研究実績の概要 |
近年、自然免疫を担うマクロファージや自然リンパ球が自己免疫疾患やアレルギー発症に関与することが明らかとなり、本研究ではシェーグレン症候群(SS)の標的臓器である唾液腺に存在する自然リンパ球innate lymphoid cells (ILCs)の中でもI型自然リンパ球に分類されるNatural Killer (NK)細胞数に注目した。NK細胞は、男性よりも女性に多く、卵巣摘出等により減少するエストロゲン依存性の細胞である。多くの自己免疫疾患は女性優位に発症するが、その中でもSSは特に女性優位に発症する。NK細胞が標的臓器唾液腺で産生するIFN-gammaとTNF発現量は、CD8およびCD4陽性T細胞よりも高いことがあきらかになった。特にIFN-gammaとSS病態との関連性はヒトの病態も含め、多くの報告がある。唾液腺在住のNK細胞からのIFN-gammaが病態に、特に病態初期において重要な役割を担っていることが示唆された。さらにNK細胞の分化状態に関わるEOMES転写因子やCD11b、 CD49a、 CD49b等のNK細胞分化マーカーを検討すると、脾臓や肝臓とは異なるタイプのNK細胞が唾液腺に局在していることを明らかにした。 SS発症の唾液腺においてIL-17やIL-33の発現が高いことを確認しており、IL-17を産生するIII型ILCs、IL-33によって誘導されるII型ILCsの存在を示唆しているが、唾液腺におけるこれらの細胞数は非常に少なく、NK細胞に比較すると解析が難しく、今回は追求することができなかったが、細胞数が少なくても重要な役割を担っていると予想され、今後、発症時期やSSモデルマウスを検討することにより、解析する必要があると考えている。ILCsの存在と病態との関係が明らかになれば、SS発症メカニズム解明に寄与できると考えている。
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