研究課題/領域番号 |
21K09860
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
|
研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
永野 恵司 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (60367620)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | Treponema denticola / トランスポゾン / himar1 / ランダム変異 / 運動 / バイオフィルム / トレポネーマ / 制御 / 歯周病 |
研究開始時の研究の概要 |
口腔に常在するトレポネーマ細菌(Treponema denticola)は、歯周組織にバイオフィルム(細菌塊)を形成して定着し、歯周病の発症や進行の増悪因子として働く。本菌は、菌体全体を激しく回転させて運動するが、バイオフィルム形成時には運動を抑制する必要がある。すなわち、運動とバイオフィルム形成との間には、これらを統合的に制御 する機構があると考えられる。そこで、本研究では、ランダム遺伝子変異導入法を用いて、本菌の運動とバイオフィルム形成に関わる遺伝子を網羅的に探索し、両者の統合的制御 機構の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究の対象細菌であるTreponema denticolaのランダム変異導入に有用であることが報告されていたhimar1トランスポゾンおよびIS配列に挟まれたエリスロマイシン耐性遺伝子ermFの塩基配列をGenbankのデータベースから入手し、人工合成した遺伝子を作成した。この遺伝子を保持するプラスミドをT. denticola ATCC 35405株にエレクトロポレーションしたが、エリスロマイシン耐性を示す変異体は得られなかった。そこで、我々が分離した、ファージ脱落株のT. denticolaを用いて検討した。本株は、理由は不明であるが、遺伝子組換え体を高効率で作製できる。しかし、何回か検討したが、この株でも作製できなかった。次に、香川大学医学部の桑原先生らがBacteroides属細菌を用いてラダム変異導入に成功しているhimar1遺伝子を分与して頂き、検討した。この遺伝子もhimar1とびIS配列に挟まれたermFから構成されているが、前述のhimar1遺伝子と若干の相違が認められた。分与された遺伝子をT. denticolaにエレクトロポレーションを行ったが、変異体は得られなかった。そこで、次に、himar1のプロモーターをT. denticoaのものに変更したhimar1遺伝子を作成した。すなわち、himar1のプロモーター領域をT. denticolaに恒常的に高発現している細胞国家うタンパク質cpfAをコードする遺伝子の推定プロモーター領域をPCRで増幅し、himar1のORFの上流に挿入した。その遺伝子断片をIS配列に挟まれたエリスロマイシン耐性遺伝子ermFと連結し、pUC19プラスミドにクローニングした。現在、この遺伝子を用いて変異体作成を検討中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ランダム変異導入法が確立していない。既報のトランスポゾンを用いて検討を始めたが、変異体を得ることができなかった。T. denticola変異体作成は難しく、また、様々な条件が影響するため、解決が難しい。
|
今後の研究の推進方策 |
上述のように、新規遺伝子を作成したので、ランダム変異導入を検討する予定である。一方、ランダム変異導入が不可能だった場合を考え、べん毛関連遺伝子の変異体を作成し、運動とバイオフィルム形成への影響についての検討も計画している。
|